3月13日、所属する24人の棋士がそれぞれ10局を指し上位2席の昇級枠を争う第77期順位戦B級2組最終局全12局が東西の将棋会館で行われています。今期はここまで9戦全勝としている永瀬拓矢七段の昇級が最終局の結果に関わらず決定していて、残り1席を3棋士によって争う形となっています。
永瀬七段は確定 棋士が1つの昇級枠を争う
すでに昇級が決まり全勝昇級を目指す戦いとなっている永瀬七段は2009年にプロデビュー。2012年度に若手棋士の登竜門的位置づけとなっている新人王戦、加古川青流戦の2棋戦で優勝、2016年度に第87期棋聖戦、2017年土には第43期棋王戦でタイトル戦にも登場しています。惜しくもタイトル奪取はなりませんでしたが、今年4月から七番勝負が始まる第4期叡王戦でも挑戦権を獲得し、3度目の正直、初タイトルの期待が懸かる関東期待の若手棋士です。順位戦は最も下のクラスであるC級2組を抜けるのに6期を要しましたが、その後は順調そのもの。C級1組を2期、そして今期B級2組を1期で卒業、来期は13人による総当たり戦で行われるB級1組初参戦となります。
残り1席の昇級枠を争うのは、8勝1敗の千田翔太六段(20)、7勝2敗の横山泰明六段(3)、大石直嗣七段(17)(※カッコ内は今期順位)。
一番有利な位置につける千田六段は永瀬七段の1期前、2016年度第42期棋王戦の挑戦者。こちらもタイトル獲得はなりませんでしたが、コンピュータによる深い研究を武器に毎期高勝率を挙げ、「AIの申し子」とも呼ばれる新しいタイプの棋士。勝てば文句なしに昇級決定ですが、3人の中で一番順位が下のため気は抜けません。勝って決めたいところ。
順位戦での負け越しが一度もなく、毎期昇級候補として名前が挙がる横山六段は自身が勝ち千田六段が敗れた場合に、大石七段は自身が勝ち他の2人が敗れた場合に昇級となります。
永瀬七段、千田六段の1期抜けで決まるか、はたまた横山六段、大石七段に幸運が舞い込むか。タイトル戦番勝負以外では一番長い持ち時間6時間制で行われている対局は13日深夜に終わる予定です。