JR西日本岡山支社は13日、せとうちエリアを走るふるさとおこし列車「SETOUCHI TRAIN」の出発式を岡山駅で開催した。115系1編成(3両編成)に特別デザインを施し、岡山地区の山陽本線を中心に、2022年3月頃まで3年間の運行を予定している。
「SETOUCHI TRAIN」は岡山・備後エリアならではの「いいもの」を探し、さまざまな活動を通して魅力発信を行う「ふるさとおこしプロジェクト」、せとうちエリアの新たな魅力を生み出すことで地域の活性化をめざす「せとうちパレットプロジェクト」の一環で運行される。「マリメッコ」「ムーミン」のデザインを手がけるなど世界で活躍するテキスタイルデザイナー、鈴木マサル氏がデザインを担当し、瀬戸内海ブルーを基調に、穏やかな海と多島美、せとうちエリアを走る電車を車体にデザインした。
出発式は岡山駅10時31分発、糸崎行の普通列車の発車に合わせ、同駅2番線ホームで行われた。鈴木氏も出席し、挨拶の中で「SETOUCHI TRAIN」のデザインについて、「海に浮かぶ島々が印象的で、あの風景の中を電車が入っていくような絵柄にしたいと考えました。電車の柄を電車にラッピングするのも珍しいのではないかと思います」と説明。同列車は普通列車を中心に運行予定となっており、「特別な電車ではなく、普通の人たちが乗る普通の電車がたまたまかわいらしい電車だった。そんな風景がこの先2~3年、日常的に続くと思うと、とてもうれしく感じます」と鈴木氏は話した。
JR西日本岡山支社の副支社長、小嶋裕之氏も挨拶し、「SETOUCHI TRAIN」のデザインを「ひと目見て、せとうちエリアの良さがわかる素晴らしいデザイン。周囲の目を引くことは間違いないだろうと思います」と評価。車内では広告スペースなどを活用し、せとうちエリアの「いいもの」や地域・観光の情報を発信するという。「美しい観光地やおいしい食べ物、特産品などをPRし、エリア外からお越しいただく方々だけでなく、岡山の皆様にも改めて地元の良さを知っていただきたい」と小嶋氏は述べた。
「SETOUCHI TRAIN」は10時22分頃、2番線ホームに入線した。3両編成の115系(D-07編成、下り先頭車から「クハ115-1073」「モハ114-1108」「クモハ115-1507」)を使用し、ブルーを基調としたフルラッピングを施すとともに、「ふるさとおこしプロジェクト」「せとうちパレットプロジェクト」のロゴも車体にデザインされている。
出発式ではテープカットに続き、鈴木氏が岡山駅長とともに出発合図を行い、福山・尾道方面へ向かう「SETOUCHI TRAIN」を見送った。鈴木氏は今回初めて実車を見たとのことで、「テンションが上がりました(笑)。なかなか良い出来ではないかと自分でも思いますし、ブルーの電車が瀬戸内の風景の中を走るのがとても楽しみ。個人的にもまた来て、電車が走っている風景を見たいと思います」とコメントした。
同列車は2022年3月頃まで、岡山・福山地区の山陽本線(姫路~岡山~三原間)、伯備線(岡山~新見間)、赤穂線(播州赤穂~岡山間)、瀬戸大橋線・宇野みなと線(岡山~児島・宇野間)、福塩線(福山~府中間)で運行予定。JR西日本のサイト内にて、「SETOUCHI TRAIN」の運行予定列車・時刻が3月30日運行分まで公開されている(運行時間など急遽変更となる場合がある)。