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【この記事のエキスパート】
ピアニスト/ライター/音楽教室主宰:神田 朝子
2009年渡米。ジュリアード音楽院、マネス音楽院で研鑽を積む。
室内楽、ミュージカル伴奏、教会奏楽などを手がける傍ら、約150名、25カ国の異なるルーツを持つ国際色豊かな生徒を指導。
2018年春に拠点を東京に移し、音楽教室『epiphany piano studio(エピファニーピアノスタジオ)』をスタート。レッスンの詳細・お問い合わせはHPまで。
またライターとして、ウェブメディアを中心にファッション、トレンド、ビューティ、フェミニズムなどを働く女性に向けて執筆中。
コンパクトで置き場所に困らず、演奏の音量も抑えられ、ヘッドホンでのモニターも可能なことから夜間練習に適した電子ピアノ。ここでは、ローランド、コルグ、カシオ、ヤマハ、カワイなどから発売されている電子ピアノの中からおすすめを厳選。また、軽量・88鍵盤モデル、子供から大人、初心者から上級者向けなど失敗しない電子ピアノの選び方も紹介します。
初心者必見!
電子ピアノの選び方
ピアニスト神田朝子さんへの取材をもとに、電子ピアノを選ぶときのポイントを8つ解説します。
【1】第一条件は88鍵あること
【2】音源とスピーカーをチェック
【3】上達のためには生ピアノに近いタッチの木製鍵盤で練習!
【4】ペダルは3本に対応できることがマスト
【5】ピアノのサイズをチェック
【6】機能で選ぶ
【7】あると便利な機能をチェック
【8】ヘッドホンの有無をチェック
鍵盤数が少ないと弾くことができない曲も
【1】第一条件は88鍵あること
【エキスパートのコメント】
鍵盤数が少ないと弾くことができない曲も
アコースティックピアノは白鍵と黒鍵を合わせて88鍵が基本ですが、キーボードや電子ピアノのなかには、61、66、73鍵……といったものもあります。しかし、たいていの場合、ピアノ曲は88鍵を想定して作曲されていますから、あらゆるレパートリーに対応するためにも88鍵のものを選ぶことがおすすめです。
お子さん向けに幅の狭い(88鍵より少ない)ピアノを購入する方もいらっしゃいますが、結局はすぐに買い換えることに。88鍵用の設置幅を確保することが難しい場合は、スタンドと分解できるタイプで収納を工夫するとよいでしょう。
アコースティックピアノは白鍵と黒鍵を合わせて88鍵が基本ですが、キーボードや電子ピアノのなかには、61、66、73鍵といったものもあります。しかし、たいていの場合、ピアノ曲は88鍵を想定して作曲されていますから、あらゆるレパートリーに対応するためにも88鍵のものを選ぶことがおすすめです。
お子さん向けに幅の狭い(88鍵より少ない)ピアノを購入する方もいらっしゃいますが、結局はすぐに買い換えることに。88鍵用の設置幅を確保することが難しい場合は、スタンドと分解できるタイプで収納を工夫するとよいでしょう。
「生ピアノ」に近い音源とスピーカーにこだわって
【2】音源とスピーカーをチェック
【エキスパートのコメント】
「生ピアノ」に近い音源とスピーカーにこだわって
電子ピアノの音を左右する要素の一つが音源とスピーカーです。
音源によっては電子ピアノといえども電子オルガンやシンセサイザーのような電子的・人工的な感じが強く、「生感」を感じにくいものも。音質にこだわるなら、名高いピアノブランドのコンサートグランドピアノからサンプリングしたものなど音源に注目することをおすすめします。
また、音の響きに欠かせないものがスピーカー。鍵盤の下部にのみ内蔵されたものから背部にもあるもの、音域によって異なるスピーカーで響かせる2ウェイ・3ウェイなど、数や特徴で臨場感がだいぶ変わってきます。
木製鍵盤は強弱をつけた演奏ができる!
【3】上達のためには生ピアノに近いタッチの木製鍵盤で練習!
【エキスパートのコメント】
木製鍵盤は強弱をつけた演奏ができます
ふだん電子ピアノで練習している方が、いざアコースティックピアノを演奏するとなると戸惑うのが鍵盤の重さです。そのギャップが少ないものが、よりおすすめできるものといえます。木製鍵盤ならプラスチック鍵盤特有のカチャカチャとした軽さがなく、アコースティックピアノと同様の弾きごたえがあります。
また、鍵盤の重さや戻りの感触を音の高低によって最適化したハンマーのものなら、タッチによって音色のコントロールができ、繊細な強弱をつけることができます。
3本のペダル操作が上達のカギ!
【4】ペダルは3本に対応できることがマスト
【エキスパートのコメント】
3本のペダル操作が上達のカギ!
演奏のクオリティを決める大きな要素といえるのがペダリング。ピアノといえば手元に注目しがちですが、上達するにしたがい、足元、つまりペダルの良し悪しが演奏のレベルを左右するといえるほど、ペダルは重要です。
据え置き型のピアノであればダンパーペダル、ソフトペダル、ソステヌートペダルの3本が標準ですが、組み立てるタイプは一種類のフットペダルのみの場合もあります。これではまったく別物になってしまうため、アコースティックピアノと同等の電子ピアノをお求めなら、3本ペダルのユニットに対応できるモデルがおすすめです。
ポイントは奥行!
【5】ピアノのサイズをチェック
【エキスパートのコメント】
コンパクトな電子ピアノにはデメリットも
多くの方が、ピアノ購入をためらう原因となるのは「置く場所がない」こと。また、趣味で弾きたい方の場合、「コンパクトでインテリアを邪魔しないモデル」であることが重要な条件になってくるのかもしれません。
そこで必ずチェックしたいのが「奥行」。実は、88鍵盤の場合、ちがいはディスプレイが横につくか、つかないかくらいで、横幅の差はそれほどありません。モデルによってかなりちがうのが奥行です。
省スペース性を優先すると、スピーカーなど音質に関わる仕様が削られる場合が多いため、バランスも考慮して選びましょう。
スタンダードタイプ(キャビネットタイプ)|奥行40~50cm
一般的なアップライトピアノの奥行が50~60cmなのに対し、スタンダードタイプの電子ピアノは40~50cmと、少しだけコンパクトになります。
コンパクトタイプと比べてサイズが大きいぶん、スピーカーなども大きくなり、音質はよくなります。省スペース性よりも本格的な機能、性能を重視する人におすすめです。
コンパクトタイプ(スタイリッシュタイプ)|奥行30cm程度
コンパクトタイプは奥行が30cm程度と、スタンダードタイプに比べ、かなり小さくなります。
圧迫感もなく、部屋にすっきりと収めることができます。ただし、奥行きがないぶん、椅子を収めるスペースもないことに注意してください。椅子の置き方も含めて置き場所を検討しましょう。
キーボードタイプ|持ち運べて収納できる
もっともコンパクトなのが、テーブルに置いて引けるキーボードタイプです。
スピーカーも小さくなるため、音質を重視する人には向きませんが、脚がないので簡単に持ち運べるのがメリットです。使わないときはどこかにしまっておきたい人にもおすすめ。このタイプなら、バンド演奏に持っていくこともできます。
こだわりの演奏のために!
【6】機能で選ぶ
同音連打で打鍵センサーの性能をチェック
電子ピアノは打鍵をセンサー感知して、録音(サンプリング)された個々の鍵盤の音を鳴らします。その際、アコースティックピアノのような自然な音の立ち上がりと消え際のタイミングの再現、さらには打鍵の強弱、ペダルの併用などの条件の変化に応じた微細な変化をどの程度の精度でできるかが製品のグレードによって変わってきます。
この打鍵センサーの精度を比較的簡単に推し量れるのが連打性能です。もし試奏する機会があれば、同音を連続して早く連打した場合、どの程度まで反応できるのか、各音は音切れしないか、などを聴いてみてください。電子ピアノの良し悪しは連打機能だけで決まるものではありませんが、同じ価格帯の製品選びで迷った場合には、判断材料の一つになります。
アコースティックピアノへ移行するなら、エスケープメント機能に注目
アコースティックピアノ特有の打鍵後のハンマーアクションからくるクリック感(低音鍵ほど重く、高音鍵ほど軽い。ゆっくり押すと途中まで重く、それを過ぎると軽くなる)は、打鍵のニュアンスにより演奏に表情をもたせることと密接なつながりがあります。
10数万円以上の機種においては、各メーカーともクリック感を再現する一つの方法としてエスケープメント機能(※)を搭載しています。アコースティックピアノを使用しているピアノ教室の自宅練習用として電子ピアノを購入されるなど、最終的にアコースティックピアノでの上達を目標とされる場合であれば、注目したい機能です。
※カワイ(KAWAI)は同機能を「レットオフフィール」と呼称しています。
音同士の重なり、ピアノ自体の共鳴までを再現したモデリング音源
アコースティックピアノの再現を突き詰めた一つの形が、モデリング音源です。これはアコースティックピアノで複数の鍵盤を同時に押した場合などに発生する、ピアノのフレーム部分の共鳴などの要素まで再現(モデリング)したものです。下記でご紹介しているローランド(Roland)『LX-7』が採用しているスーパーナチュラル・ピアノ・モデリング音源がそれにあたります。よりアコースティックピアノに近いピアノをお求めなら検討材料にいれたい要素です。
【7】あると便利な機能をチェック
録音機能
レッスンに役立つのが録音機能。抑揚などの細かいニュアンスや小さなミスなど、演奏しているときには気づかなかったことも、録音して客観的に聴いてみるとよくわかります。上達への近道として、録音機能を活用しましょう。
音色の切り替え機能
音色を切り替えることで、さまざまな音色で演奏を楽しめるのも電子ピアノの特長です。音色を変えれば、同じ曲でも違った雰囲気で楽しむこともできますし、オルガンやチェンバロなど、ピアノ以前に主流だった鍵盤楽器の音色で、バッハ時代の音楽の再現を試みることもできます。
もちろん、ピアノ曲だけでなく多彩なジャンルの音楽を楽しむのもいいですよ。バンドのキーボードとして使う場合にも便利です。
音楽自動再生・デモ演奏機能
クラシックの有名曲やピアノ練習曲を自動再生する機能は、曲の演奏を鑑賞して楽しめるだけでなく、練習にも便利です。譜面を見ながら再生すれば、楽曲をよく理解できますし、曲を耳で覚えるのにも役立ちます。自動再生をお手本に、いっしょに演奏するのもよい練習になりますよ。
拡張性
作曲やアレンジをする人、バンドで使いたい人は、どんな外部機器と接続できるかもチェックしておきましょう。たとえば、USBオーディオ機能があれば、パソコンで演奏を簡単に録音でき、DTMソフトに自分の演奏を取り込むことができます。またMIDI端子があれば、電子ピアノを弾いてDTMソフトのデータ入力をすることができます。MIDI経由でシンセサイザーなどほかの音源に接続すれば、内蔵された音色以外の多彩な楽器音で演奏することが可能です。
見過ごしがちな要素
【8】ヘッドホンの有無をチェック
各楽器メーカーが楽器専用のステレオモニターヘッドホンを発売していることからもわかるように、オーディオ用ヘッドホンのように各音域のいずれかを強調するのではなく、フラットな音を出力するヘッドホンが適しています。もし予算が許すのであれば、楽器メーカーのモニターヘッドホンを使用するとよいでしょう。
電子ピアノの人気メーカー
ここでは代表的なメーカーの特徴をご紹介します。メーカーが力を入れているところや得意とするところを理解することは、電子ピアノ選びの近道といえるでしょう。ご自分の好みや技量にあった電子ピアノ選びの参考にしてくだい。
ヤマハ(YAMAHA)
ヤマハは名実ともにグランドピアノの老舗メーカーです。電子ピアノでも初級者モデルから上級者モデルまで、さまざまな機種を取りそろえています。
また、電子ピアノでグランドピアノの音色やタッチを再現するという点では、ヤマハはすぐれた技術力をもっています。とくに微妙なタッチの再現力はグランドピアノメーカーならでは。ヤマハのグランドピアノを弾き慣れた方にはもちろん、いずれはグランドピアノでの演奏を考えている方にもおすすめするメーカーです。
カワイ(KAWAI)
カワイもヤマハと同様、高い知名度を誇る日本の大手ピアノメーカーです。カワイグランド(ピアノ)を再現するために、電子ピアノでも重めのキータッチに設定してあるのがこだわりどころ。中級モデル以上の機種では、すべて木製鍵盤が使用されており、よりピアノに近い感触で演奏できるようにつくられています。
カシオ(CASIO)
カシオの最大の魅力はコストパフォーマンスです。ほかメーカーの同じようなスペックの機種を、カシオならより安く購入できるということも少なくありません。
また、カシオは楽器店よりも家電量販店で取り扱われることが多いメーカーです。そのため、定価よりも大幅に値引きされていることもよくあります。
しかし、低価格だからといって、ほかのメーカーと比べてスペックが大幅に劣るわけではありません。価格にばかり注目が集まりがちですが、カシオの『CELVIANO』シリーズは世界に名だたるピアノメーカー「ベヒシュタイン」との共同開発で誕生した電子ピアノ。低価格機から高級機まで取りそろえる間口の広さがカシオの特徴です。
ローランド(ROLAND)
ローランドはピアノメーカーというよりは、電子楽器のメーカーというほうが正しいかもしれません。そのため、ほかのメーカーよりもデジタル面に強いという特色があります。電子ピアノではピアノ単体の音色だけではなく、リズムや伴奏などのバックグラウンドの再生が可能です。ローランドの電子ピアノは、バック音源の音色にもじゅうぶんに力を入れているのが特徴です。
そのため、ローランドの電子ピアノは弾いていてさまざまな面から楽しめる「楽器」だといえるのです。とくに、技術的な問題から、まだピアノの音色だけでは楽しめない方にとっては、ローランドのような付加機能のある電子ピアノは魅力的に見えるでしょう。
コルグ(KORG)
コルグもローランドと同じように電子機器に強みをもつメーカー。ギターやベースのチューナー、エフェクターやシンセサイザーでも有名なメーカーです。比較的低価格ながら、洗練されたデザインが多いことが特徴といえるでしょう。
部屋に電子ピアノを置くことは、ある程度の決断力が必要になります。そのため、インテリアとしてもおしゃれな電子ピアノを望む方におすすめするメーカーです。
選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)