「いまはまだ買い時じゃない」を言い続けたら、いつの間にかPCのハードが何世代も前になっていた、という人は多い。特に2011年ごろのPC、つまりIntelの“Sandy Bridge”世代のCoreプロセッサを搭載したPCを使っているユーザ、いわゆる“Sandy Bridgeおじさん”はまだ相当数いることだろう。旧型といえど、いまでも十分使えるPCを大事に使い続けることは決して悪くはないが、OSのサポートや脆弱性対応といった問題は無視できない。
CPUを最新のものに更新するには、いわゆる“プラットフォーム移行”が必要だ。最新のCPUへ簡単に交換できれば、みんなハッピーになれるのだが、CPU自体の設計変更やそれに伴う周辺回路への要求仕様の変更は避けられない。
メモリもCPUパフォーマンスを十分に引き出せる上位規格のものにシフトしている。結果として「CPU+マザーボード+メモリ」の3点セット購入が必須になる。これが理由で新しいCPUに乗り換えるタイミングをとまどうことも珍しくない。
だが、新しいプラットフォームへの移行は単にCPUの対応だけでなく、新インタフェースの恩恵を受けられるというメリットがある。1世代程度だと差分はほぼないが、Sandy Bridge世代位までさかのぼると、現行プラットフォームとはかなり違ってくる。
そこで今回は、新旧のCPUとマザーボード、さらにストレージデバイスについて、Sandy Bridge世代とどの程度違っているのか、簡単な新旧パフォーマンス対決も交えて考えてみたい。
ここ数年でコア数が劇的に増加したCPU
この7〜8年で最も劇的な環境変化が起こったのは間違いなくCPUだ。2016年に投入された第7世代Coreプロセッサまでは、メインストリームCPUは物理4コアまでであったため、Sandy Bridge世代のCPUと並列度は変わっていない。
CPUの成長要素として、コアの処理効率の改善やわずかなクロック上昇という時期が続いたので、Sandy Bridgeおじさんは乗り換えタイミングがつかめなかったのではなかろうか。
しかし、2017年にCPUを取り巻く状況は激変する。AMDが「Ryzen」を投入し、メインストリームCPUにパワフルな8コア/16スレッドCPUを投入したからだ(AMD FXの8コアモデルについては、性能面で残念過ぎたため敢えてスルーしたい)。これに触発されたようにIntelも第8世代Coreプロセッサ、いわゆる“Coffee Lake”で6コア/12スレッドモデルを投入し、CPUのメニーコア戦争が始まったのだ。
現在AMDは初代Ryzenの欠点であるコアの処理効率の悪さを大幅に改善した第2世代Ryzen“Pinnacle Ridge”、対抗するIntelは第9世代Core“Coffee Lake Refresh”に進化し、どちらも最上位モデルは8コア/16スレッド仕様となっている。動画のエンコードはもちろん、PCゲーム、特にゲーム動画の配信者にとってこれらのCPUはぜひとも使っておきたいCPUといえる。