JR四国の特急形気動車2700系に、ジェイテクトが開発したボールスプライン付推進軸が採用されている。ジェイテクト独自の構造によって車両の安定走行を補助し、乗り心地の向上と安全な鉄道輸送を実現する製品だという。

  • JR四国の特急形気動車2700系(イメージ)

特急形気動車2700系は、予讃線・土讃線・高徳線で使用される既存の2000系の置換えとして投入される新型車両。2000系と同様、制御付振子システムとジェイテクトのボールスプライン付推進軸を採用しているという。

制御付振子システムは、山間部などカーブが多い区間における最高運転速度の向上と乗り心地を両立させるため、カーブによる遠心力を緩和する方向に車体を傾斜させる機構。制御付振子システムが作動すると推進軸が伸縮するが、一般的なスプラインでは雄スプラインと雌スプラインの間にすべりが生じるため、スプライン部のスライド抵抗が大きく、スムーズな振子作用の妨げになっていたという。

  • ボールスプライン付推進軸(イメージ)

  • 一般的なスプライン(イメージ)

ジェイテクトが開発したボールスプライン付推進軸は、雄スプラインと雌スプラインの間に複数列のボールを配置した構造。ボールの転がりによりスライド抵抗を大幅に低減し、振子作用を妨げることなく、車両の性能を十分に発揮することを可能としている。