映画『劇場版ウルトラマンR/B(ルーブ)セレクト! 絆のクリスタル』の舞台挨拶が9日、東京・新宿ピカデリーにて行われ、映画に登場する主要キャストと武居正能監督が登壇。それぞれウルトラマンにかける熱意や作品のテーマとなった"夢"について、熱いトークを繰り広げた。

  • 上段左から、其原有沙、小池亮介、平田雄也、濱田龍臣、武居正能監督、下段左から、ウルトラウーマングリージョ、ウルトラマンブル、ウルトラマンロッソ、ウルトラマンジード

本作は、2018年に放送された特撮テレビドラマ『ウルトラマンR/B(ルーブ)』の劇場版で、テレビ最終回から1年が過ぎた綾香市を舞台に、かつてウルトラマンとなって怪獣たちと戦った湊カツミ、イサミ兄弟が新たなる脅威に立ち向かうさまが描かれている。家族のみんなが進むべきそれぞれの"道"をつかんでいる中で、自分だけ何がやりたいのか、何をやればいいのかをはかりかねているカツミの心にゆさぶりをかける謎の存在「トレギア」と、最強の怪獣「スネークダークネス」が出現。別の世界から友人のペガと一緒に飛ばされてきたウルトラマンジード/朝倉リクと力を合わせ、ウルトラマンロッソ、ウルトラマンブル、そして妹アサヒが変身したウルトラウーマングリージョは果敢に戦いを挑んでいく。

今回の映画では精神的・肉体的に追いつめられて苦悩するものの、自らの"夢"と大切な友人を守るため困難に真正面から立ち向かうウルトラマンロッソ/湊カツミ役の平田雄也は「こんなに朝早くから大勢のみなさんが観に来てくださってうれしい。朝からテンションが上がります」と、つめかけたたくさんの観客たちに喜びの声を伝えた。

家族全体を見守る面倒見のいい兄カツミとは対照的に、マイペースで研究に没頭する若き宇宙考古学者の弟・ウルトラマンブル/湊イサミを演じる小池亮介は「きのうからTwitterで映画の感想を書いてくださる方がいてうれしい。いい感想しか頭に入れていないです」と、積極的に"エゴサーチ"をかけて映画の感想をこまめにチェックしていることを明らかにした。

カツミ、イサミの妹で、映画ではウルトラウーマングリージョに変身する湊アサヒ役・其原有沙は「先行上映や公開初日に、たくさんの方たちに観ていただきました。これからも、もっともっとたくさんの方に映画を観てもらいたい」と、映画の出来栄えに絶対の自信をうかがわせた。

2017年に放送されていた『ウルトラマンジード』で活躍し、今回の映画では時空を超えてウルトラマンロッソ、ウルトラマンブルと力を合わせて悪と戦うウルトラマンジード/朝倉リクを演じる濱田龍臣は「僕、実はきのうの初日舞台挨拶を客席から観ていたんですよ」と、ふつうに1ファンとして映画館を訪れていたことを明かし、平田や小池から「(ステージに)上がれよ!」と絶妙なツッコミを入れられていた。続けて濱田は「みなさんの熱を直に感じることができました。舞台挨拶はいろいろなところを回りますので、多くの人たちにお会いできるのを楽しみにしています」と、各地の舞台挨拶でファンのひとりひとりに接することに期待を寄せていた。

かつてない"普通感覚"のウルトラマン像を打ち出し、湊家を中心とした"家族"の絆を重視するドラマを生み出した武居正能監督は、およそ1年前のテレビシリーズ撮影開始時期から現在まで、平田、小池の湊兄弟の成長を見守ってきた人物。武居監督は「ちょうどテレビシリーズのクランクイン(撮影開始)が1年前の今日、3月9日でした。湊兄弟の出番は翌日の10日から始まりましたが、2人の"変身"シーンを撮るのに苦労した思い出があります。2人の動きがなかなかそろわなくて……。2人は何度も練習してタイミングが合うように頑張っていた。今はもう何も言うことはない」と、平田、小池の成長が明らかとなったこの1年間をしみじみと振り返っていた。また『R/B』からさらに1年前となる『ジード』の主演・濱田龍臣に関しては「身長が伸びているし、より男らしくなった」と、いっそうたくましく成長した姿に驚く様子を見せた。

湊家と共演した感想を聞かれた濱田は「みなさんアットホームな雰囲気で、すぐに自分を受け入れてくれた。すてきな家族だなと思った」と、劇中でのあたたかな雰囲気どおりの現場だったと笑顔を見せた。ちなみに濱田が湊家と初めて一緒に演技をしたのは、眞鍋かをり演じる湊ミオが「どうやってリクとペガを別の時空へ帰そうか」を思案しているシーンだったそうだが、初日は濱田のセリフが一言もなく、無言でうなずいて終わりだったという。この様子を思い出した平田は「(存在感があるのに)一言も言葉を発しない。必殺仕事人みたい」と、独特な例え方で感想を述べた。

続いてMCより、映画のテーマでもある"夢"についての話題が降られた。平田は「小さいころ、シャ乱Qになりたかった。つんく♂さんに憧れて、眉毛を細くしてほしいと親に頼んでいた」と、幼い時代の憧れの存在について語った。さらに「つんく♂さんの衣装が赤いジャケットだったので、子ども用サイズの赤ジャケを買ってもらったことも」と話すと、其原から「今、赤いジャケット着ているじゃないですか。夢が叶ったね!」と冷やかされる場面も見られた。

小池は、ウルトラマンティガ、ウルトラマンダイナ、ウルトラマンガイアに憧れていた幼稚園児時代、正義を守る仕事として警察官に憧れていたと話した。そんな思いを抱きながら現在ウルトラマンになった小池は「ここへ観に来てくださっているみんなと変わらない子どもだったので、憧れのウルトラマンになれたのには不思議な感じがする」と、感慨深そうに語った。

其原は「小さいころ、幼稚園の文集に"看護師になりたい"と書いていたんですが、アサヒの将来の夢も看護師ということで、台本を読んだときすごい運命を感じました」と、アサヒの役柄とシンクロした子ども時代の夢をにこやかに話していた。

以前から大のウルトラマンファンを公言してはばからない濱田は「僕はもう、子ども時代からの夢が叶った状態。詳しくは『劇場版ウルトラマンジード つなぐぜ!願い』Blu-rayの特典映像を……」と、いきなり主演映画の宣伝を初めて平田、小池をあわてさせた。濱田はさらに、現在の"夢"として「推し(ウルトラマン)の新規立体造形物が欲しい!」と、少年時代から大好きだという「ウルトラマンジャスティス」のさらなる商品化を熱望し、ジャスティスのソフビフィギュアを手にしたファンを含む客席からのあたたかい拍手を浴びていた。

武居監督が子どものころの夢とは「幼稚園のころはプロ野球選手になりたかった。それからマンガ家を経て、映画監督になりたいという夢を持った」と打ち明けた。現在、見事に自身の夢を叶えた武居監督は「夢は叶います。みんなー、夢は叶うよ!!」と、客席の子どもたちに呼びかけて、大きな夢を描いてそれに到達するよう頑張れとエールを贈った。

そして、ファンお待ちかねとなる「変身」シークエンスの再現コーナーへ。濱田が「ジーッとしてても、どうにもならない! ジード!!」と叫びながらジードライザーをかかげ、平田、小池が「オレ色に染めあげろ!ルーブ!」「まとうは火! 紅蓮の炎」「まとうは水! 紺碧の海」のかけ声と共にルーブジャイロを起動させた。そして其原が「ハッピー! 私はウルトラウーマングリージョ! 劇場版公開を記念して、変身しちゃいます!」と宣言しながら、専用のルーブジャイロを手にした。すると、ウルトラマンジード(プリミティブ)、ウルトラマンロッソ(フレイム)、ウルトラマンブル(アクア)、ウルトラウーマングリージョがさっそうとかけつけ、それぞれのカッコいいポーズを決めて会場を沸かせた。

最後の挨拶で、濱田は「イサミくんがさっき"エゴサ"しているって言いましたけれど、リクくんもけっこうエゴサしてます(笑) ジードのときもそうでしたが、みなさんがいろんなハッシュタグを作っていたりしているのも把握しています。深淵を見ているとき、深淵もまたこちらを見ている、ということで……」と、19世紀の哲学者ニーチェの言葉を引用しつつ、映画の感想をTwitterへのつぶやきでどんどん教えてほしいとリクエストしていた。

其原は「今回の映画でウルトラウーマンに変身できました。女の子でも変身できるぞ! という気持ちで取り組みましたので、お友だち同士とか、ご家族とか、大勢の方に観てほしいです。これから舞台挨拶でいろいろな劇場に行かせていただきます。またたくさんの方にお会いできると思うとうれしいです。もっともっと『R/B』を広めていきたいですので、みなさんぜひハッシュタグをつけてTwitterで応援してください! ハッピー!!」と、最後は得意のフレーズを交えて、明るい笑顔をふりまいた。

小池は「『R/B』という作品は、僕たちが歩んできた"道のり"がそのまま反映されていると思っています。テレビシリーズをもう一度観返していただくと、今回の劇場版が違う角度から見えてくるのではないでしょうか。ぜひ僕たちのこれまでの歩みをふりかえって、同じ景色を見ていただきたいです」と、映画につながる25のエピソードも楽しんでほしいと呼びかけた。

平田は「撮影開始からまる1年経ちました。『R/B』からウルトラマンを観始めた子どもたちや、昔からウルトラマンが大好きな大人のファンの方たちがいらっしゃると思いますが、平成最後の年、いまのウルトラマンはこうです! という"進化"を見せられたのではないかと思います。僕たち出演者も、撮影スタッフさん一同もみんなウルトラマンが大好きで、そんな僕たちの思いが乗っかった、すべてが凝縮された作品が『ウルトラマンR/B』です。ぜひ映画館に二度、三度足を運んでいただければうれしいです」と、受け手の愛と同じくらい、送り手にもウルトラマンへの強い愛情があり、その愛が形になったものが今回の映画なのだと熱弁した。

武居監督は「いま撮影初日のアサヒ(其原)のことを思い出していました。いまはすごく明るくしゃべっていますけれど、初日ではものすごく緊張していて……。ここにいる4人が初めてウルトラマンシリーズに出演したころから、ずっと見てきました。今日、ウルトラマンを応援してくださるみなさんと私たちが、同じ時間を過ごすことができたのをうれしく思っています。映画では"夢"を持ち続けることの大切さがテーマになっています。小さい子どもたちはもちろん、大人になってもずっと夢は持ち続けてほしい。これが映画の中で僕が伝えたかったことなんです」と、子どもから大人まで幅広い年齢層に向けた"夢"を持つことの重要さをアピールし、映画を多くの人々に観てもらいたいと語った。

映画『劇場版ウルトラマンR/B(ルーブ)セレクト!絆のクリスタル』は、現在全国劇場にてロードショー公開中。いくつもの時空を自在に行き来できる謎のウルトラマン「トレギア」がウルトラマンロッソ、ウルトラマンブル、ウルトラマンジードを危機に陥れる。アサヒが変身したウルトラウーマングリージョの登場や、ロッソ、ブル、グリージョの"絆"によって誕生した新ヒーロー「ウルトラマングルーブ」の活躍も映画の大きな楽しみどころである。

(C)劇場版ウルトラマンR/B製作委員会