阪神電気鉄道は9日、甲子園駅にて「阪神電車×桃園メトロ連携記念ラッピング車両」のお披露目式を開催した。当日は台湾で人気のシンガーソングライター・Sandyさん、著名なチェロ奏者である張正傑氏によるミニコンサートも行われた。

  • 「阪神電車×桃園メトロ連携記念ラッピング車両」が甲子園駅に(写真:マイナビニュース)

    「阪神電車×桃園メトロ連携記念ラッピング車両」が甲子園駅に

同社は今年1月、台湾の桃園メトロと相互連携協定を締結。その取組みの一環として、桃園メトロ沿線の特色をデザインしたラッピング列車がデビューすることになったという。桃園メトロでも阪神沿線をデザインしたラッピング列車が1月21日から運行されている。

今回、ラッピング車両に選ばれた編成は、おもに優等列車で活躍する1000系1208編成。多くの関係者らが見守る中、9時57分に甲子園駅4番線ホームに入線。鮮やかなラッピングに多くの人々が釘付けとなっていた。

ラッピングのデザインは車両ごとに異なる。2号車には中正(蒋介石)記念堂や国立国父記念館といった主要な観光施設が描かれた。5号車には日本でもおなじみのタピオカドリンクや小龍包のイラストも。桃園市の花である桃や牡丹、アブラギリを組み合わせた華やかな装飾も各車両に施されている。前面には花々の装飾だけでなく、阪神電気鉄道と桃園メトロのコラボレーションを示す文字イラストがある。

車内の注目は床面と中央部の吊り革。床面は台湾のアンティークレンガをベースに、ミニゲームができるように工夫されている。車両中央部には、熱気球を模した吊り革が設置された。この吊り革に関して、桃園メトロ総経理の蒲鶴章氏によれば、「皆様の夢を叶え、幸せを引き寄せるように」との思いが込められているという。

  • シンガーソングライターのSandyさん。軽やかな歌声を披露

  • 台湾人のチェロ奏者、張正傑氏

  • 出発式では出席者による鏡開きが行われ、Sandyさんと甲子園駅駅長による出発合図でラッピング車両が発車した

式典を前に、台湾人ソングライターのSandyさんが「台湾で会おうね」と「阪神で行こうよ」の2曲を披露。軽やかな歌声はラッピング車両の雰囲気とも合う。続いて、チェロ奏者の張正傑氏がバッハ作曲「チェロスイート」を演奏。甲子園駅のドーム状の屋根も相まって、チェロの美しい音色がホームに反響した。式典では阪神電気鉄道常務取締役の佐々木浩氏が、「今後もさまざまなプロモーションを実施してまいります。ご期待いただければ」と挨拶した。

「阪神電車×桃園メトロ連携記念ラッピング車両」は3月9日から1年間にわたって運行される予定。阪神本線、阪神なんば線、神戸高速線を中心に、相互直通運転を行っている山陽電鉄線や近鉄奈良線にも乗り入れるという。また、阪神電気鉄道と桃園メトロの企画乗車券を春の観光シーズン(4~5月)に発売するとのことだ。

  • 「阪神電車×桃園メトロ連携記念ラッピング車両」の車内・外観。車内に熱気球を模した吊り革が設置され、床面にはミニゲームができるしかけも。2号車の車体に中正(蒋介石)記念堂や国立国父記念館、6号車の車体にスカイランタンや神輿などが描かれている