3月5日、第77期順位戦C級1組最終局全19局東西の将棋会館で行われ、杉本昌隆八段、近藤誠也五段(※昇級により六段に昇段)がB級2組への昇級を果たしました。9勝1敗で4者が並ぶ激戦でしたが、順位上位の両者が昇級となり、下位の藤井聡太七段、船江恒平六段は惜しくも残留となりました。
杉本八段は第74期までB級2組に所属し、来期は4期ぶりの復帰となります。最近は藤井聡太七段の優しいお師匠様というイメージが先行しがちですが、表の顔は順位戦でA級のすぐ下のクラスであるB級1に4期在籍、竜王戦ランキング戦では最高クラスの1組に8期在籍の実績があるれっきとした強豪棋士。六段だった2002年には全棋士参加棋戦である第20回朝日オープン将棋選手権で決勝五番勝負に進出し、今期9戦目の対船江六段戦で着用したことで話題になった和服で対局に挑み先勝しましたが2戦目以降敗れ、1-3で惜しくも優勝を逃しています。
近藤新六段は2015年10月にプロ入り。順位戦には2016年度の第75期から参加し、9勝1敗の成績でC級2組1期抜けを果たしています。前期第76期C級1組でも昇級はなりませんでしたが8勝2敗の好成績。順位を一気に上げたことを今期の昇級に生かしたと言えましょう。今期成績31勝13敗[0.7045]、通算成績118勝47敗[0.7151](※いずれも3月7日現在)と素晴らしい勝率を挙げている関東期待の若手棋士です。また、C級2組1期抜け、高勝率など何かと藤井七段と共通点が多いですが、ちょっと変わったところではプロデビュー戦の相手が加藤一二三九段だったという点も共通しています。
激戦となった今期C級1組、同星ながら順位の差により2人が笑い、2人が泣く結果となりました。来期第78期のC級1組は、船江六段が順位2位、藤井七段が順位3位で開始される見込みです。もし今期と同じ星、9勝1敗を挙げることができたなら、これはさすがに当確でしょう。昇級者の活躍とともに、この両者からも目が離せません。