フジテレビの子供番組『じゃじゃじゃじゃ~ン!』(毎週土曜4:52~ ※関東ローカル)が、ジワジワと話題だ。気鋭のクリエイターが集結し、90年代に一世を風靡(ふうび)した伝説の番組『ウゴウゴ・ルーガ』を彷彿(ほうふつ)とさせる内容で、SNS上では「シュールすぎる」「腹筋が終わった」など、早朝の番組ながら多くの反応が寄せられている。
そんな中、3月2日・9日の放送は、俳優の安田顕が随所に登場する“安田顕祭り”状態に。安田と言えば、番組のキャラクター「AIさん」の声なのでは?とウワサされているが、果たしてその真相は…。チャレンジングな番組への印象とともに、本人を直撃した――。
■“遊び”の発想の面白さ
――『じゃじゃじゃじゃ~ン!』へのゲスト出演について、ご家族の反応はいかがでしたか?
それはもう喜んでくれましたね。
――ご自身は放送をご覧になっていかがでしたか? 安田さんの顔が海に落ちるなんて描写もありましたが…(笑)
本人としてはうれしいもんですね(笑)。子供番組だから、大人は大目に見て楽しめるかどうかだと思うんですけど、SNS上とかでも皆さん喜んでくれているようですし。
――番組の好きなキャラクターはいますか?
「からだざつお」も面白いし、「だいなし むかしばなし」も面白いですよね。あと、「テング課長」が僕の中でジワジワ来てます(笑)。ブレないところが好きですねぇ。
――あらためて、この番組への印象はいかがですか?
土曜朝の4時52分からという時間帯で、若い非凡な作家さんたちの表現の場所としてサブカル的にジワジワ盛り上がっていくような番組を作ろうという試みがやっぱり面白いですよね。そうやって、テレビが元気になっていくのも期待しますし、もともとテレビっ子だったので、そんな番組に出演できるのはうれしいです。
――若いパワーというのを感じますか?
そうですね。「渋谷系」と言われたムーブメントや、『ウゴウゴ・ルーガ』、『水曜どうでしょう』もそうかもしれないけど、そこで世に出てきた人たちが後に活躍して、本を正すと「ああいう番組が原型にあったんだよ」っていうことがあるじゃないですか。だからこの番組も、時間がたったときに「あのとき『じゃじゃじゃじゃ~ン!』という番組があったんだよ」となると、気持ちいいでしょうね。
――『じゃじゃじゃじゃ~ン!』にその精神が宿る『ウゴウゴ・ルーガ』(92~94年)の名前が出ましたが、当時はご覧になっていましたか?
たまに見てました。20歳くらの頃でしたね。何か面白いことやってるなあって感じから火がついてるのが分かりましたよね。今は自分の好きなものだけを見ることができる時代で、これからも趣味嗜好が細分化していくんでしょうけど、その中でもマニアックな人たちやサブカル好きな人たちが食いついてくれるような面白さ。それって結局“遊び”なんじゃないかなと思うんですけど、『じゃじゃじゃじゃ~ン!』もその遊びの発想をなくすことなく、続くといいですよね。
■ナルシストだった?幼少時代
――子供番組ということで安田さんの幼少時代の話も伺っていきたいのですが、以前『ウチのガヤがすみません!』(日本テレビ)で「恵まれない環境に育ったという設定で、泣きながら帰るのが好きだった」というエピソードを話していましたよね。
僕の子供の頃って、そういうアニメが多かったんですよ。『母をたずねて三千里』とか、『タイガーマスク』も子供たちの施設に賞金を寄付するとか。それに影響されたんでしょうけど、学校から家まで1人で歩いて帰る間、「僕は恵まれた環境にいないんだ…」とか「家に帰っても1人なんだ…」とか、首にぶら下がってる家の鍵を見て「僕は鍵っ子なんだ…」とか、そういうマイナス要素を感じながら歩く自分が好きだったんです。今思うと、ナルシストだなと思いますけど(笑)
――それはまた不思議な心境を抱いてたんですね…。
遠足のときにお昼ご飯の時間があるじゃないですか。みんなが大きなレジャーシートで食べるてるときに、うちの母も母なんですけど、私のリュックサックには、1人しか座れない敷物が入ってるんですよ。それでも寂しさも疎外感も感じずに食べてるだけで良かったんですけど、周りが逆に気を遣って「こっちおいでよ」と言ってくれるんで、行っても行かなくてもいいんだけど…っていう感じで結局一緒に食べたりしてましたけどね。…これ、何の話でしたっけ?
――子供番組なので、ご自身の幼少時代の話を…
ああ、そうか(笑)。でも、友達は多いほうがいいと思いますよ。結局助けになるし、1人じゃ生きていけないですからね。
■「AIさん」の声の正体は…
――『じゃじゃじゃじゃ~ン!』には9日の放送でも登場されるとのことですが、どんな感じで出られるんですか?
「クレーンゲーマーつかみ2」に出ます。見てのお楽しみです(笑)
――2日放送での登場の仕方は、もともとの写真をうまくイジった素材でしたよね(笑)
これはこれでいいですね。稼働なしっていうのはありがたい(笑)。次の放送は声を出したりとかもしてますけど、こういう風に使ってもらうことができるんだなあって感心しましたよ。こうやって才能ある人たちと一緒に作品を作ることができるのは、『じゃじゃじゃじゃ~ン!』に参加できて楽しいなと思うところですね。
――最後に、視聴者がみんな疑問に思っていることを伺いたいのですが…「AIさん」の声の「謎の男」は安田さんですか?
えーと………私ですかね。謎っていう状態でやって遊んでるほうが楽しいんじゃないかなっていう感覚でやってます(笑)。安田顕として『下町ロケット』の話をしたり、安田顕として映画の番宣をするより、「謎の男」としてやるほうが面白いじゃないですか(笑)
――氣志團の綾小路翔さんとDJ OZMAさん、古坂大魔王さんとピコ太郎さんのような関係にしていきたい感じですか?
うーん、レベルによる(笑)