アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWS)は3月5日、データベース移行支援に関する説明会を開催した。同社は、マネージド型のデータベースサービスに加え、他社の商用データベースを同社のクラウド上に移行するサービスやプログラムを提供している。
事業開発本部 本部長 安田俊彦氏は、「これまで、商用データベースのクラウドへの移行は対象外と見なされがちだった。移行するとなるとコストもそれなりにかかる。しかし、移行のコストを考慮しても、クラウド上でデータベースを運用するほうがメリットが大きな時代になってきた」と、商用データベースのクラウドへの移行に対するニーズが高まっていることを説明した。
安田氏は、これからのデータベースの課題として「データ容量の増大」「他のシステムとの連携」「データの再利用」を挙げ、AWSはこうした課題の解決策として、オープンソースのデータベースと互換性があるデータベースを提供していると述べた。
Amazon Auroraは、MySQLおよびPostgreSQLと互換性のあるリレーショナルデータベースで、標準的なMySQLデータベースと比べて最大で5倍、標準的なPostgreSQLデータベースと比べて最大で3倍高速だという。安田氏によると、運用のコストは商用データベースの10分の1に抑えられるという。
AWSは、同社のサービスへの移行を支援するサービスを多々提供しているが、データベースに関するサービスとして「AWS Database Migration Service」「AWS Schema Conversion Tool」が紹介された。
「AWS Database Migration Service」は、マネージド型のデータベース移行サービスで、アプリケーションを稼働したまま移行が可能。一括での移行も可能だが、オンラインでの継続的なレプリケーションに対応する。「AWS Schema Conversion Tool」は、自動変換が可能なオブジェクトを分析し、自動変換ができない部分とその理由を明示するツールだ。
また、Microsoft SQL Server、Oracle DatabaseをAWSのデータベースに移行するためのガイダンスをWebサイトで公開している。ガイダンスでは、例えば、Oracleのある機能がAurora PostgreSQLではその機能委当たるのか、書き換えが必要な場合はそのサンプルSQLが掲載されている。
加えて、AWSのコンサルタントが顧客先で移行に関するワークショップを開催し、アセスメントや実装方法のディスカッションなどを行う「Database Freedom Workshop」というサービスも提供されている。