スポーツクライミングのリード種目日本一を決める「第32回リード・ジャパンカップ」が3月2~3日、千葉県印西市にある松山下公園総合体育館で開催された。

  • 優勝した藤井快選手(右)と野口啓代選手

今回で32回目となるリードジャパンカップは、ボルダリング、スピードと並びスポーツクライミングの種目になっている「リード」の日本一を決める大会。リードは高さ12m以上の壁に設定されたコースを使い、6分間の持ち時間の中で到達できた高度で順位が決まる。選手はロープのつながったハーネスを装着し、途中の確保支点にロープをかけて安全を確保しながら登り、最後の支点にロープをかけると完登となる。

  • 厳しいコースを登る選手たちに観客は大きな声援を送った

落下した場合はその時点で競技終了となるため、ミスをしてもやり直しができない「一発勝負」の緊張感がある競技だ。2日に行われた予選を突破し、3日の準決勝を勝ち抜いた上位8名で決勝を争った。

  • 女子の部で優勝した野口啓代選手

女子は決勝に平野夏海選手、野口啓代選手、森秋彩選手といった実力者が順当に勝ち進んだ一方、優勝候補の一人だった伊藤ふたば選手が決勝入りを逃すなど、波乱含みの様相。男子は楢崎智亜選手、楢崎明智選手の日本を代表するクライマー兄弟が揃って決勝へ進出。清水裕登選手、藤井快選手、杉本怜ら実力者も肩を並べる状況となった。

観客が見守る中、決勝がスタート。厳しいコース設定に苦戦する選手たちだが、見せ場が訪れるたびに観客が声援で後押しする。女子はTOP到達者無し、男子も1名のみという高難度のコースが立ちはだかる中、力を出し切った選手たちに拍手が鳴りやまない。

すべての選手が競技を終え、順位が確定。女子は「日本選手権リード競技大会2017」で優勝経験のある野口啓代選手がトップとなり、森秋彩選手、平野夏海選手ら若手が2位、3位につける形になった。

  • 女子の部のトップ3

男子は決勝唯一のTOP到達者となった藤井快選手が優勝。TOP直前あと数ミリで落下してしまった楢崎智亜選手が2位、続いて清水裕登選手が3位となった。

  • 男子の部のトップ3

また、大会期間中は久光製薬らスポンサー企業がブースを出展。会場へ訪れたたくさんの来場者と共に大会を盛り上げていた。

  • 各スポンサー企業がブースを出展していた

選手たちの抜群のスキルと戦略、そしてリードならではの緊張感で多くのファンを魅了した第32回リード・ジャパンカップは、大盛況のうちに終了となった。