3月5日、所属する39人の棋士がそれぞれ10局を指し上位2席の昇級枠を争う第77期順位戦C級1組最終局全19局が東西の将棋会館で行われています。
注目はトップを走る8勝1敗勢の4者、杉本昌隆八段、藤井聡太七段、船江恒平六段、近藤誠也五段の対局。杉本八段は千葉幸生七段と、近藤五段は増田康宏六段とそれぞれ東京・将棋会館で、藤井七段は都成竜馬五段と、船江六段は金井恒太六段とそれぞれ関西将棋会館で対局中です。関東所属棋士と関西所属棋士の対局はどちらかが遠征をして行われますが、関東同士の対局となった近藤五段、関西同士の対局となった藤井七段はいわばホーム、関西の船江六段は関東・金井六段の遠征を受けこちらもホームでの対局。4棋士のうち杉本八段のみ関東・千葉七段のほうへ出向き、アウェーでの対局となっています。
ここで、4者の順位をおさらいしておきましょう。同成績の場合は前期の成績によってつけられた今期順位により優劣が決まります。よって、昇級に有利な順に並べると以下の通りとなります(カッコ内は今期順位)。
- 近藤誠也五段(6)
- 杉本昌隆八段(7)
----昇級ライン---- - 船江恒平六段(14)
- 藤井聡太七段(31)
師弟同時昇級の確率はわずか6.25%! 実現なるか
近藤五段、杉本八段は自身が勝てば文句なく昇級となります。船江六段は自身が勝ち、近藤五段、杉本八段のうち1人以上が敗れれば昇級、藤井七段は自身が勝ち、上位3者のうち2人以上が敗れた場合のみ昇級となります。4者のうち3人以上が敗れた場合には、7勝2敗で5番手につける、順位の良い高崎一生六段(4)まで昇級の可能性が出てきます。8戦を終え全勝で並んでいた杉本八段と藤井七段の師弟同時昇級は、両者が勝ち、近藤五段、船江六段がともに敗れた場合のみ実現し、勝敗がそれぞれ50%の確率で起きるものとして計算した実現確率は6.25%。9戦目
[杉本八段●―○船江六段]
[藤井七段●―○近藤五段]
の結果が響き、かなり難しい状況となりました。
対局はタイトル戦番勝負を除けば公式戦で最も長い持ち時間各6時間、使い切ると1手1分未満に着手というルールで、午前10時から開始されています。各40分ずつ設けられている昼食、夕食休憩の時間を合わせると、仮に対局者が互いに6時間を使い切った場合、対局開始から13時間20分以上が経過することになりますので、時刻は早くても午後11時20分。そこから延々と両者1分未満の着手を続ければ、対局終了は日付をまたいで、ということも考えられます。
長時間に及ぶ戦いを制し、昇級をつかみ取るのは誰になるのでしょうか。