CP+の広い会場を回って特に目を引いた展示品を、3名のカメラマンに独断で挙げてもらいました。まずは、永山昌克カメラマンです。永山カメラマンは、メーカーや規格の壁を越える画期的なマウントアダプターに魅力や可能性を感じたそうです。
AF対応のマウントアダプターが各社から続々
昨年から今年にかけてフルサイズミラーレスが話題になっていますが、それらに対応したマウントアダプターが早くも登場しています。特に、オートフォーカスが作動するマウントアダプターは、撮影の自由度を高めるアイテムとして要注目です。
焦点工房のブースでは数多くのマウントアダプターが展示されていましたが、中でもひときわ注目を集めていたのがTECHART(テックアート)の「TZE-01」です。これは、ソニーEマウント用のレンズをニコンZマウントのボディーに装着し、オートフォーカスを効かせて撮影できる画期的なアダプターです。
マウントアダプターといえば、かつてはオールドレンズを使いたいマニアのための道具という印象がありました。しかし最近は、新しいAF対応レンズを異なるマウントのボディーに組み合わせて使いたい、と考えるマニア以外の人にも裾野が広がりつつあります。AFやAEが快適に作動し、特に専門知識がなくても比較的手軽に扱えるマウントアダプターが増えているからです。
TZE-01もそんな製品のひとつ。試作機を使ってみましたが、ソニーのレンズをニコンZのボディーにすんなりと装着でき、スムーズに作動するAFを確認できました。アダプター自体が薄型軽量なので見た目も違和感はなく、ホールドバランスが悪くなることもありません。
EFマウントを搭載したAndroidカメラが登場
近年のカメラ市場では、中国や台湾など中華圏のメーカーが勢いを増しており、日本メーカーにはない柔軟な発想による面白い製品を次々と開発しています。
YONGNUO(永諾)ブースに展示されていた「YN450 4G Smart Camera」も、そんな斬新な製品のひとつ。OSにAndroidを搭載したレンズ交換式のカメラです。レンズマウントはキヤノンEFマウントで、センサーはパナソニック製の4/3型の1600万画素CMOSセンサーを搭載しています。
編集もできるカールツァイスのフルサイズカメラ「ZEISS ZX1」
今回のCP+で個人的に最も注目したのは、カールツァイスのブースに展示されていた「ZEISS ZX1」です。昨秋に発表されたレンズ一体型のコンパクトカメラで、3740万画素の35mmフルサイズセンサーを搭載しています。
何より面白いのは「SHOOT. EDIT. SHARE.」というコンセプトを掲げ、撮影だけでなく編集や共有もカメラ内で行えること。撮った写真は512GBの内蔵SSDに保存され、編集にはカメラにプリインストールされた「Adobe Lightroom CC」を使用します。撮影後すぐに本格的なRAW現像をして、そのままDropboxなどのクラウドなどにアップロードすることもできます。
会場では、ZEISS ZX1の実機を初めて確認しましたが、予想以上に大柄で存在感のあるボディにますます物欲を刺激されました。重量は800g程度と、コンパクトカメラとしてはやや重めですが、ノートPCを持たずこれ1台を持って旅に出かけたくなる。そんな夢のあるカメラといえそうです。