毎年春の恒例、カメラ展示会「CP+」のSynologyブースでは、同社のNASを展示するとともに、セミナーや個別対応でカメラマン向けの使いこなし方法を紹介していました。
NAS(Network Attached Storage)は、有線LANや無線LAN(Wi-Fi)を使ってアクセスするストレージ。Googleドライブ、マイクロソフトのOneDrive、アップルのiCloudといったクラウドストレージも、広~い意味ではNASの一種といえるでしょう。個人向けのNASは、一見するとUSB接続の外付けHDDとほとんど変わりません。有線LANや無線LANで、ホームネットワークに接続して使います。
さて、SynologyのNAS製品は、個人でも使いやすいエントリーモデルから、企業向けモデルまで幅広いラインナップを取りそろえています。CP+2019のブースでは、プラスシリーズと呼ばれる上位製品を中心に展示していました。
プラスシリーズは、高性能なCPUや多くのメモリを搭載しているので処理が高速。また、ハードディスクを搭載するベイを複数備えていたり、さらに拡張ドライブベイに対応した製品もあります。こうしたNAS製品はより大容量化を図れるため、カメラマンに向いているのです。
確かに、プロカメラマンならば膨大な写真データを保持しているでしょうし、アマチュアや家族の写真が中心という人でも、プロに劣らない数の写真を撮っている人は多いことでしょう。近年のデジタルカメラは数千万画素のセンサーを搭載し(スマホのカメラにもいえますね)、1枚の写真でもそれなりのデータ容量になります。RAWで撮影しているなら、なおさらです。
NASにメモリカードを挿せば自動バックアップ、さらにクラウドにも保存
SynologyのNAS製品は、豊富なアプリケーションが使えることも大きなメリット。イメージとしては、スマホに好きなアプリをインストールするようなものです。
NASにアプリを追加すると、例えばNASのUSBポートにメモリカードを挿すだけで、メモリカード内のデータをNASに自動バックアップしたり、NASのデータを別のNASやクラウドに再バックアップしたりといった機能を実現できます。
写真管理のアプリケーションもあり、一般の人には、画像をAIが自動判断して分類する「MOMENTS」アプリがおすすめとのこと。上級者には、より高機能な「PhotoStation」アプリをおすすめしていました。PhotoStationアプリは、写真のEXIF情報からフォルダを作る機能や、自由なフォルダ管理に対応しています。
ホームネットワークやプライベートネットワークに大容量のNASを導入したとき、一番のメリットといえるのは、オリジナルの写真データを手元に置いておけることでしょう。
ファイルサイズの大きな写真もストレスなく使えますし、必要に応じて外出先でもNASから写真をダウンロードできます(NASを設置した場所がインターネットに常時接続されていることが必要)。Synologyのカメラマン向けセミナーでは「出先から自宅のNASにアクセスできる環境を整えれば、クライアントからの急な要求にも対応可能」と紹介していました。
セキュリティ面の不安もありますが、二要素認証に対応したNAS製品を選んで適切な設定をしていれば、セキュリティはかなり強固です。SynologyのNAS製品は、ソフトウェアやセキュリティに問題が発覚した場合、専門チームが迅速に修正プログラムを提供しているそうです。