今年のCP+で大きな話題になっているのが「Lマウントアライアンス」でしょう。2018年のフォトキナで発表されたもので、ライカ、シグマ、パナソニックの3社が連合してフルサイズミラーレスのLマウント規格を推進していくという取り組みです。今回のCP+には、パナソニックとシグマの2社がCP+に出展しています。
多くの写真ファンの注目を集めたのが、シグマブースで3月1日に行われたシグマの山木和人社長によるプレゼンテーションでした。「Lマウントシステムについて」というタイトルで11時30分から開催されましたが、1時間前には満席になるなどの人気の高さがうかがえました。
まず山木社長は、フルサイズのFoveonセンサーを搭載したLマウントミラーレスの市場投入が2019年中から2020年になることを明らかにしました。イメージセンサーの開発遅れが理由としています。搭載するフルサイズFoveonセンサーは5520×3680ピクセルの3層構造で、60.9メガピクセルになることも初めて公開しました。
合わせて、Lマウント用の交換レンズのリリーススケジュールについても言及。2019年8月を皮切りに、単焦点レンズを順次発売していく方針を示しました。シグマ製のEFマウント用レンズとSAマウント用レンズをLマウントに対応させるマウントアダプター「MC-21」や、有料のマウント交換サービスについても説明。ボディーの開発を打ち切ったSAマウント用レンズについてはユーザーへのお詫びも込め、1万円程度の割安な価格でマウントアダプターの販売やマウント交換のサービスを提供する方針にするそうです。
CP+初日の2月28日にはパナソニックブースにおいて、ライカ、シグマ、パナソニックの3社によるプレゼンテーション「Lマウントアライアンスを語る」も実施されました。壇上には、ライカカメラAGの杢中 薫氏、シグマの大曽根 康弘氏、パナソニックの山根洋介氏が登壇。アライアンスを組んだ経緯や製品についての説明が行われました。
パナソニックのブースでは、3月23日に発売を控えるLマウントのフルサイズミラーレス「LUMIX S1」「LUMIX S1R」や交換レンズ群が試せるようになっていて、タッチアンドトライコーナーは最新カメラをチェックしようと多くの来場者が列を作っていました。
Lマウント、買うならどんな組み合わせがベスト?
これからの展開が楽しみなLマウントアライアンスですが、まだ立ち上げ段階で選択肢は多くありません。そのようななか、どのような方向性でシステムをそろえていけばよいのでしょうか。
カメラ本体ですが、価格を考慮するとやはりパナソニックのLUMIX S1シリーズをチョイスするのが現実的。一般的なS1と高画素モデルのS1Rの2機種が用意されますが、両者は価格差が15万円近くあるので、S1をチョイスのがよいでしょう。
交換レンズは、純正のズームレンズ「LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.」をまず導入するのが王道といえるでしょう。このレンズは広角から中望遠までカバーしますし、最短撮影距離が0.3mと短いのが魅力的です。交換レンズ不足をカバーするためにシグマのマウントアダプター「MC-21」を購入しつつ、単焦点はシグマのレンズ群から選ぶのがよい選択となりそうです。
このように、メーカーを超えてボディーとレンズが共用できるのがLマウントアライアンスの面白さです。その第1歩となる製品を、CP+の会場でチェックしてみてはいかがでしょうか。