佐藤天彦名人への挑戦権を争う第77期A級順位戦最終9回戦の全5局が3月1日、静岡市「浮月楼」で行われます。
タイトル戦番勝負以外の対局は基本的に東西の将棋会館で行われますが、2013年度、初めてこのA級順位戦最終局が浮月楼にて行われました。将棋をこよなく愛した武将として知られる徳川家康が2015年で没後400年を迎えることを受け、家康と縁の深い静岡市が展開した「徳川家康公顕彰四百年記念事業」の一環として企画、開催されたもので、昨2017年度、4年ぶりに最終局が指され、今年度は2年連続3回目の開催となります。
今年度も大詰め。昨年度に続き10人のA級戦士が静岡に集結
今期、各棋士8回戦までの成績は以下の通り(成績順、カッコ内は今期順位)。
- 7勝1敗 豊島 将之二冠(6)
- 6勝2敗 羽生 善治九段(1)
- 6勝2敗 広瀬 章人竜王(3)
- 5勝3敗 糸谷 哲郎八段(9)
- 4勝4敗 佐藤 康光九段(4)
- 4勝4敗 久保 利明九段(5)
- 3勝5敗 稲葉 陽八段(2)
- 3勝5敗 三浦 弘行九段(8)
- 2勝6敗 深浦 康市九段(7)
- 0勝8敗 阿久津主税八段(10)
最終局の組み合わせと、これまでの公式戦での対戦成績は以下の通りです(左が先手)。
- 広瀬 章人竜王(12勝)―(18勝)羽生 善治九段
- 豊島 将之二冠(14勝)―(15勝)久保 利明九段
- 阿久津主税八段(5勝)―(6勝)佐藤 康光九段
- 糸谷 哲郎八段(6勝)―(1勝)深浦 康市九段
- 三浦 弘行九段(7勝)―(3勝)稲葉 陽八段
5局のうち、挑戦に関係する対局は2つ。広瀬竜王―羽生九段戦と、豊島二冠―久保九段戦です。7勝1敗でトップの豊島二冠は自身が勝てば挑戦が決まります。敗れた場合は、6勝2敗同士の一戦、広瀬竜王―羽生九段戦の勝者と豊島二冠とのプレーオフが行われ、勝者が挑戦となります。
2席の降級枠を避ける残留争いのほうは、これまで0勝8敗の阿久津八段の降級が確定していて、降級枠は残り1席。争いは深浦九段と三浦九段の2人に絞られていて、2勝6敗の深浦九段は自身が敗れれば降級、勝っても三浦九段―稲葉八段戦で三浦九段が勝つと降級となります。三浦九段は自身が敗れ、深浦九段が勝つと降級です。
家康公縁の地、浮月楼に集結する10人のA級戦士たち。果たして今期はどんな結末が待っているのでしょうか。