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【この記事のエキスパート】
キッチンツール専門店「キッチンパラダイス」店主:田中 文
使う側の視点で機能性に優れたキッチンツールを徹底的に吟味しセレクトするプロ。
その豊かな知識と経験談に、主婦だけでなく料理研究家やプロの料理人からの信頼も厚い。
道具の実験やお店の日常をつづったショップブログ「Aya’s Diary」が人気。
数少ない「調理道具の専門家」としてセミナー他雑誌やテレビでも引っ張りだこ。
圧力鍋は、簡単かつ時短調理ができる便利なアイテム。さまざまなレシピに挑戦したい料理初心者さんにもおすすめです。本記事では、圧力鍋の選び方、おすすめ商品を紹介。また、普段料理をする主婦100人に使ってみての感想や人気メーカーなどをアンケート調査を行ったので、参考にしてみて下さい。
初心者から玄人まで人気の調理グッズ!
時短調理に役立つ圧力鍋
圧力鍋とは、通常の鍋よりも高温で高圧調理ができる調理器具。調理時間を短くできるほか、食材の旨味や栄養を逃がさず調理できるのが圧力鍋の魅力です。
電気圧力鍋と圧力鍋の違いは、熱源の違い。圧力鍋がガスを熱源にしているのに対し、電気圧力鍋は電気を熱源にしています。調理に手間をかけたくないなら「電気圧力鍋」、コストにこだわる場合は「圧力鍋」がおすすめです。
体験談! プラスの意見とマイナスの意見
圧力鍋をつかってどうだった?
【エキスパートのコメント】
圧力鍋を使った人の「プラスの意見」
魚のあら炊きやイワシの梅煮などは骨まで食べられる柔らかさになります。鶏の手羽元の煮込みなども短時間でホロホロになるため手早く美味しく作れて気に入っています。(30代女性)
【エキスパートのコメント】
圧力鍋を使った人の「マイナスの意見」
取っ手のネジが緩みやすく、しばらく使っているとガタガタしてしまうところが少し不便です。また、大容量タイプで一度にたくさん作れるのはいいのですが、大きすぎてキッチンの流し台をほぼ占領。水道の蛇口からの距離も近く、少し洗いにくい点がイマイチかと思います。(30代女性)
我が家に適した圧力鍋ってどれ?
圧力鍋の選び方
いろいろなレシピに使いやすい「圧力鍋」。選び方のポイントをご紹介します。
【1】サイズ
【2】圧力のかけ方
【3】圧力強さ
【4】対応熱源
【5】材質
【6】お手入れのしやすさ
【7】タイマー機能
一つひとつ解説していくので参考にしてください。
何人分調理する?
【1】圧力鍋のサイズを確認
圧力鍋といっても普通の鍋と同じように、サイズの違いがあります。圧力鍋の容量は使い方や、普段調理する量に合わせて選ぶといいでしょう。
圧力鍋のサイズの目安は、家族の人数+1L程度がおすすめ。ただし、ストック調理などで多めに作りたい場合は、目安よりも大きめのものを選ぶといいでしょう。
<調理量にあわせた圧力鍋のサイズ目安>
●1~2人前 :2~2.5L程度
●3~4人前 :3~4L程度
●5人前以上:4.5L、5.5Lなど4L以上
初心者向け「おもり式」・静かな「スプリング式」
【2】圧力のかけ方をチェックする
圧力のかけ方には、「おもり式」と「スプリング式」があります。それぞれの特徴をみていきましょう。
おもり式|音で圧力の変化を知らせてくれる
「おもり式」は、沸騰して鍋の内部に圧力がかかった際蒸気の噴出口のおもりを押し上げることで「シュッシュッ」という音とともに適正な圧力を保つ構造。音が合図になって火力調整のタイミングがわかりやすいのがポイント。
鍋から少し目を離していても適切なタイミングに気づけるのがメリットです。
スプリング式|静かに調理できる
「スプリング式」は、沸騰して鍋の内部に圧力がかかった際、スプリングによって表示用のピンが上がって知らせてくれる構造。音がほとんど出ないため赤ちゃんがいるご家庭や、調理時間が夜遅くになる人におすすめです。
一方で、音が出ないため調整のタイミングがわかりにくいというお悩みも・・・。ある程度圧力鍋を使い慣れた人向けの圧力鍋といえます。
超高圧、高圧、低圧など
【3】圧力の強さで選ぶ
圧力鍋は低圧、高圧に加えて超高圧が選べる商品もあります。1台で複数の圧力が切り替えできれば、作れるレシピの幅も広がりますよ。
●超高圧
とにかく時短でお料理したい方向き
●高圧
一般的な圧力鍋を使った調理をしたい方向き
●低圧
火の通りやすい野菜や、煮崩れを防ぎたい調理をしたい方向き
コンロは直火かIHか
【4】対応熱源もチェック
IHクッキングヒーターを使用している家庭はとくに、自宅の熱源で使用できるかを調べましょう。近年ではガスコンロでなく、IHヒーターのキッチンが多いため、ここで選択を間違えると使えなくなってしまいます。
オールメタル対応の電磁調理器をもっておらず、ガスコンロも使っていない家庭では、アルミニウム製の圧力鍋は避けましょう。
アルミ製、ステンレス製、多層構造など
【5】圧力鍋の材質をチェック
圧力鍋は本体の作られている素材によっても、料理のできあがりや、調理に要する時間が異なります。それぞれのメリットとデメリットをご紹介していくので参考にしてください。
●アルミ製
軽い圧力鍋がいいならコレ。また、かけられる圧力が弱い商品が多いものの、短時間で調理が可能です。
●ステンレス製
かたい食材や火の通りにくい食材を調理するならコレ。重さがあるものの、かけられる圧力が高い商品が多く、火を消したあとも冷めにくいため、余熱でしっかり火を通すことが可能。
●多層構造
アルミとステンレスのいいとこ取り。ステンレスよりも軽量で扱いやすく、かけられる圧力も高いものが多い。
【6】分解できると「お手入れ」しやすい
圧力鍋は細部に汚れが入り込みやすいので、洗いやすさを考えるとできる限り分解して洗浄できるものがよいでしょう。
圧力弁のまわりがかんたんに掃除できるか、弁の機能がハンドルにある場合はハンドルを分解洗浄できるかがカギです。お手入れかんたんな圧力鍋を選びましょう。
【7】初心者こそ「タイマー機能」が便利
圧力鍋を使用した経験が少ない方の場合、どうしても「火を弱めたり止めたりするタイミングが難しい」といった悩みがあります。
そんな時は、火加減調整のタイミングが分かりやすいタイマー付きの商品がおすすめ。タイマーは、加圧開始・終了などをデジタル表示やアラームで教えてくれるので、火加減調整のミスが大幅に抑えられますよ。
専門家からのアドバイス
メーカーの信頼性や保証期間も重要
【エキスパートのコメント】
パッキンは1~2年ごとに交換する必要がありますし、長年使うと部品交換や修理を依頼することが多いため、信頼のおけるメーカーを選ぶことと保証期間はとても大切です。
輸入品に関しては並行輸入では修理を受けつけない場合が多いため注意してください。付属品の蒸し板や、普通の鍋として使える別蓋(フタ)有無、レシピ本の充実具合も確認しておきたいものです。