エン・ジャパンは2月26日、「社内失業」に関する調査結果を発表した。調査は2018年12月26日~2019年1月29 日、同社運営の情報サイト「人事のミカタ」を利用している企業を対象にインターネットで行われ、801社から有効回答を得た。

  • 「現在、社内失業状態の社員はいますか?」業種別

    「現在、社内失業状態の社員はいますか?」業種別

社内失業とは、労働者が正社員として企業に在籍しながら、仕事を失っている状態を指し、2011年の内閣府調査によれば、全国の労働者の8.5%にあたる465万人が社内失業状態に該当したとのこと。

そこで、調査ではまず、「社内失業」という言葉の認知度を調べたところ、「意味も含めて知っている」人は26%にとどまった。

社内失業の意味を伝えた上で、「現在、社内失業状態の社員はいますか?」と尋ねたところ、23%が「いる」(いる+いる可能性がある)と回答。業種別に見ると、「メーカー」(28%)、「流通・小売関連」(25%)、「サービス関連」(24%)が上位となり、企業規模別では、「1,000名以上」が41%で最多となった。

社内失業該当社員について聞いたところ、年齢層では50代(57%)や40代(41%)が多く、役職としては一般社員クラス(80%)が断トツ。また、職種別では「企画・事務職(経営企画、広報、人事、事務他)」(46%)や「営業職(営業、MR、人材コーディネーター他)」(31%)が上位となった。

  • 社内失業者が発生する要因

    社内失業者が発生する要因

次に、社内失業者が発生する要因について調査した。その結果、「該当社員の能力不足」(70%)が最も多く、次いで、「該当社員の異動・受け入れ先がない」(51%)、「職場での人間関係が悪い」(26%)と続いた。

今後の対応策としては、「該当社員への教育」(35%)が最多。社内失業についての具体的な悩みや課題を聞くと、企業は手を施そうとするも本人の改善意識が希薄で苦悩する様子や、他の社員への影響や今後の該当社員の増加を懸念する声が多数寄せられた。

「仕事をしている風のまま、定年を目指しているように感じる。やる気の無さや意識の薄さをどのように改善させていけばよいのかが課題である」

「成果が出なくても他の人と同じ基本給がもらえるので、周りの士気を下げてしまう可能性がある」

「新卒社員の中に、極めて簡単な作業しか任せられない社員がいます。ミスが多いため異動もままならず、また本人のモチベーションも低いため教育にも四苦八苦しています」

「今後、高齢の一般社員の割合が増える中で発生する懸念はある」