「認可保育園に全部落ちた……」来年度4月入園の認可保育園の1次調整結果が届き、絶望している家庭も多いでしょう。しかしまだ2次募集を受け付けている自治体や認可外保育園などの選択肢も残されています。今回は、ここるく代表で保活アドバイザーの山下真実さんが都内で緊急開催した「今からできる第2保活セミナー」から、今からできる第2保活のポイントや、保活都市伝説についてご紹介します。
高級レストランやエステなどを、託児付きで利用できる「託児付きプラン」を展開するここるく。利用者のママたちから、育児に関するリアルな声が集積される場となっており、とくに利用者の約8割を占める働くママ・育休中ママの声が多く集まると言います。
そんな中、認可保育園の1次調整結果が届くこの時期に「認可保育園に落ちた今、どうしたらいい?」という多くの会員の声を受けて、精神的なショックから素早く立ち上がり、次なる手を打ってもらうべく、今回のセミナーを緊急企画したのだそう。この日は、実際に都内で子育て中のママ7名が参加。セミナー中、子どもたちは隣のスペースで同社のベビーシッターとともに過ごしていました。
今年の1次募集状況
保活アドバイザーとして、数年前から本の出版やメディアでの執筆なども行っている山下さん。「まず『保活』とは、保育園に入れる確度を高める活動のことだと、私は定義しています」と話すように、金融系コンサルタントに従事したキャリアを活かし、著書などでも保活の課題やノウハウを体系立てて解説しています。
セミナー冒頭では、今年(2019年4月入園)の1次募集の状況について、ここるく会員の実例を交えながら紹介されました。
まず調布市在住のAさんの場合。フルタイム共働きながら、認可園の0歳児クラスには入ることができませんでした。同市内では定員割れしている園もあるものの、通える範囲の園の人気が高かったこと、調布市での居住歴が1年未満と短かったことが影響していると考えられます。
次に川崎市在住のBさん。川崎市は激戦区ということが分かっていたため、0歳児のうちに申し込んだものの不承諾となりました(画像内「入園希望クラス:1歳児クラス」は誤り)。タワーマンションの建設が進み、Bさんの住んでいる地域では「加点あり」からのスタートとなってしまっているようです。
最後は、品川区で1歳児クラスに申し込んだCさん。フルタイム共働きですが、1歳児クラスは定員が少ない上に、在園児童の兄弟姉妹で埋まってしまうと言われたそうです。品川区は徐々に入りやすくなってきているものの、1歳児入園はいまだ厳しい状況となっています。
参加者のリアルな声も
また山下さんが参加者の状況を聞くと、中央区在住で下の子が認可園に入れなかった参加者の1人は、「上の子も認可園に通っていますが、今年小学生になるため兄弟加点がつきません。夫婦共にフルタイムで中央区に住んで10年以上になるので、まさか入れないとは……という思いでした」と話します。
2月の上旬に不承諾通知が来てから、旅行などすべての予定をキャンセルして保育園見学などをしており、その間上の子はずっと家で待っているのだそう。「できることはすべてやったつもりでしたが、それでも入れなかったことにとてもショックで。中央区は今年1歳児の申請が100人増えているにもかかわらず、新設園はほぼありませんでした。今は2次の結果や認証、認可外からの連絡を待っているところです」と話します。
また、「保育園が足りないことに怒りはありますが、中央区は土地も少ない中で小規模園などを頑張って作っている印象です。それよりも、育休を取って1~2年したらみんな一斉に復職するために1歳児枠に殺到するという、この"みんな一緒"のワークスタイルを変えない限り、根本的な問題は解決しないんじゃないかと思います」と思いを語りました。
今年の保活の特徴として山下さんは、「年々少しずつ入りやすくなっている傾向はあるものの、育介法の改定で育休が2年まで延長できるようになったこともあり、1歳児クラスは依然として入りにくいようです」と総括。また、保活に関する情報が知れ渡ったことにより、「加点競争」も激しくなっていると指摘します。
「不承諾通知が届いたことで、モヤモヤしたりショックを受けたり、結果を自分自身に対する評価のように捉えてしまうお母さんがすごく多いんですが、そんなことは一切ありません」と山下さん。保活を進めるために大切なことは「絶対に足を止めないこと」だと言います。
「第2保活においては、マラソンのようにいかに地道に走り続けたかで結果が変わります。そのために、1次不承諾のショックから一刻も早く立ち直って、行動し続けてほしいんです」