リコーは2月25日、2組のセンサーとレンズを搭載し、360度の写真や動画が撮影できる全天球カメラ「THETA」シリーズの新製品「THETA Z1」を発表した。シリーズで初めて1型の大型センサーを搭載し、写真の画質を大幅に高めた。動画は4Kに対応する。本体には撮影情報を表示するパネルを搭載し、残り撮影枚数や露出設定などの情報が確認できるようにした。品質にこだわる写真愛好家だけでなく、不動産や建設、自動車業界などビジネスシーンでの活用も見込む。
価格はオープンで、予想実売価格は税別117,500円前後。発売は3月下旬。
ノイズは1段分改善、3段階の絞り機構も搭載
2017年9月に発売した「THETA V」に続く高性能モデル。スティック型の薄型ボディーの両面に2組のセンサーとレンズを搭載するデザインは継承する。1/2.3型センサー搭載の従来モデルは画質改善の要望が高かったことを受け、シリーズで初めての1型センサー(有効2000万画素)を搭載し、画質を大幅に高めた。
新たにRAW形式での記録にも対応した(DNG形式)。写真の画像サイズは、RAW記録時が7296×3648ドット、JPEG記録時が6720×3360ドット。ノイズレベルは1段分ほど改善し、従来モデルのISO800とTHETA Z1のISO1600のノイズがほぼ同等だという。
センサーを大型化しても最薄部24mmの薄型ボディーを維持するため、内部に3つのプリズムを搭載して3回光を折り曲げる構造とした。レンズには3段階の絞り機構(F2.1、F3.5、F5.6)を搭載した。
本体の外装はマグネシウム製とし、質感を高めた。本体下部に情報表示パネル(0.93型の有機ELパネル)を新たに搭載し、電池残量、撮影モード、残り撮影枚数、F値、ISO感度などの情報が確認できるようにした。撮影データの記録は内蔵メモリー(約19GB)のみで、microSDカードなどの外部メモリーには対応しない。充電やデータ転送の端子はUSB Type-Cに置き換え、利便性を高めた。本体サイズはW48×H132.5×D24~29.7mm、重さは約182g。