3月末で芸能界を引退する元でんぱ組.incでタレントの夢眠ねむ。日本テレビの2次元キャラクター育成バラエティ番組『アイキャラ4』(毎月最終木曜24:59~)の3周年を記念した「バースデーフェス」(3月16日開催)が、引退前最後のファンとの交流イベントとなる。

そこで、2016年から断続的に放送されてきたこの番組や、共演してきたバカリズム、Base Ball Bearの小出祐介への思い、そして、テレビ業界初の試みという“VRフェス”となる今回のイベントへの期待などを聞いた――。

  • 夢眠ねむ

    3月末で芸能界を引退する夢眠ねむ

■アイデアがハイスピードで実現していく

芸能界引退で今後『アイキャラ』に出演することもなくなるが、「もともと仲の良い3人で始めたという感じなので、これからもたぶんご飯とか食べに行くと思います」と、バカリズム&小出祐介との関係は続く様子。ただ、「番組中に意見の違いとかで不穏な空気になったりすることもあって、心配されたりしたんですけど、そういう言い合いはしなくなりますね(笑)」と、引退後のより平和な関係を予測した。2人からは「一番いいやめ方をするね」と感心されたそうた。

今年1月7日のアイドルグループ・でんぱ組.inc卒業から、3月末での芸能界引退まで3カ月の期間があるのは、3月28日の放送で終了する「『アイキャラ4』のためだった」という夢眠。「『アイキャラ』さんに私の引退を受け入れてくださって、最後まで出してもらえて、すごくうれしいです」と、番組を“完走”できることへの喜びを語る。

3年間で印象に残った企画は、平仮名を擬人化した男性キャラの「ひらがな男子」だといい、「映画(『劇場版 ひらがな男子 ~序~』)になったのはうれしかったですし、自分自身も見に行ってすごく楽しかったので、記憶に残ってます」と回想。「自分たちが言ったアイデアが、スタッフさんの力でハイスピードで実現していくのって、他の番組では見たことなかったんです。実際映画化にまで行くことになって、体感としてすごいことだなと思ってやってました」と、驚きながら企画の推移を見ていたそうだ。

  • 『劇場版 ひらがな男子 ~序~』プレミア上映会=2018年3月16日

それだけに、この番組の良かったと思う点を尋ねると、「こっちが言ったことを投げっぱなしにしないで、ちゃんと現実にしていくスタッフさんのパワーや、巻き込まれた企業の皆さんが、大変なのにもかかわらず愛を持って実現してくださったところですね。テレビがやりたいことを言ってるだけじゃなくて、みんなで作り上げていく、温もりのある番組だなと感じていました」と回答。「本当にオタク文化を愛してる人たちが真心でやってるんだなっていうのをオタク目線で感じることができたので、関わっていてすごく楽しかったですし、すごい番組だと思います」と、あらためて実感したことを語った。

引退後はキャラクタープロデュースなどの事業を展開していくという夢眠は「面白いことをやってるというところに、能力のある人たちは共感してくれるんだなと感じたので、自分がちゃんと面白い人でいなきゃ」と、番組で経験したことを通して気を引き締めていた。

ちなみに、次のシーズン5があるかは未定だが、自身の“後継者”を問われると「私からは言えないです」と即答。「もめたりとかすると嫌なんで、言いたくない(笑)。『眠ちゃんがこう言ってたから…』とか、升野さん(バカリズム)は気にしそう。『余計なこと言ったな』と思われたくないので、申し訳ないですけどお口を閉ざさせていただきたいと思います(笑)」と、無用な混乱を憂いて回答を避けた。

■テレビ業界初の試み「純粋に楽しみ」

夢眠にとって、芸能界引退前最後のファンとの交流イベントとなる今回の“VRフェス”。パソコンやVRゴーグル(ヘッドマウントディスプレイ)を使い、ネットを通して世界中のどこからでも参加できるというものだ。VR空間では、出演者と観客がともにアバターの姿で空間を共有し、大きなケーキの形をした会場で、観客1人1人がイチゴ型のアバターとなり、バースデーケーキのようにVR空間を彩るという仕掛けになっている。

左から 小出祐介、バカリズム、夢眠ねむ(下段はアバターのイメージ)

テレビ業界初というこの試みに、「ちゃんと成功させなきゃなっていうのと、純粋にすごく楽しみです。私もみんなも初めての人が多いかなと思うのでそこは楽しくやれたらなと思います」と、期待を語る夢眠。自身のVRアバターは、もともと「VOCALOID夢眠ネム」が存在しているが、「(バカリズムと小出の)2人のアバターがすごい美少年になっちゃったのを見て、『せっかくだから作画をそろえてほしい』とわがままを言って作ってもらったので、すごく満足です(笑)」と胸を張る。

生身ではなく、アバターとしてイベントに出演することについては「すごい気が楽です。どんなに肌が荒れてても、すごい太っててもベストな状態でお届けできるので、早くそうなりたかったです(笑)。アイドルをやってたときから、ずっと2次元にスライドできたらいいなと思っていたので、それが(引退前)最後にかなうのはうれしいなと思います」と念願だったそうだ。

そして、「今までのイベントは、お家の事情とかで来れなかったりすることもあったと思うんですけど、それが解消できるというのはすごい画期的だなと思います。『その日はちょっと行けないんです…』っていう言い訳は使えないぞっていうことで、皆さん絶対チケット買ってほしいなという気持ちでいっぱいです(笑)」と呼びかけた。

  • 『アイキャラ3周年記念 バスデーフェス』(3月16日 開場16時、開演17時 ※約70分想定)
    【開催場所】
    (1)VR空間(クラスター株式会社の既存システムを使用) ※来場客は自宅等でVRゴーグルを着用、またはPCでアクセス、※料金:4,000円(税込)
    (2)ニコニコ生放送でのライブビューイング ※販売期間:3月1日15:00~31日20:00 ※料金:1,000pt(税込)

    【出演者】
    アイキャラ出演者:バカリズム、小出祐介、夢眠ねむ ※アバターで出演
    フェス進行:伊藤遼(日本テレビアナウンサー) ※アバターで出演
    ライブ出演者:ひだまりラリアット【2次元アイドルキャラ】(担当声優:花澤香菜、戸松遥、竹達彩奈、寧々、小山内怜央)、ひらがな男子【ひらがなを擬人化した男性キャラ】(担当声優:梶裕貴、市川太一 ほか)
    ゲスト:ときのそら ほか
    VTR出演:水樹奈々 ほか
    詳細は番組ホームページ