エン・ジャパンは2月20日、「パワーハラスメント」に関する調査結果を発表した。調査は2018年12月28日~2019年1月31日、同社運営の転職サイト「ミドルの転職」を利用している35歳以上のユーザー2,911名を対象に、インターネットで行われた。
調査によると、「パワハラを受けたことがある」という人は82%。性年代にかかわらず、いずれも8割程度とのこと。パワハラの内容を教えてもらったところ、「精神的な攻撃(公の場での叱責、侮辱、脅迫)」(66%)が最も多く、次いで「過大な要求(不要・不可能な業務の強制、仕事の妨害)」(46%)、「人間関係からの切り離し(隔離、無視、仲間はずれ)」(36%)と続き、特に、「同性・年上の社員」(75%)から被害を受けた人が多かった。
実際にパワハラを受けた人からは、「ほぼ毎日、夜中に私への非難のメールが長文で送られてくる。その中には解雇をほのめかすような記載もあった」(36歳女性)、「子供が体調不良でも休暇を認めてもらえなかった。さらに、深夜残業をしていると、私の仕事の進め方が気に入らないという理由で30分以上も説教をされた」(37歳女性)、「自身の機嫌が悪いと、机を蹴ったり、人に向けて物を投げたり、圧力をかけてくる」(39歳男性)、「リーダーからミーティングのスケジュールを知らされず、幾度も遅刻や未参加となった。また、初めて自分が契約を取った案件から理由もなく外されたり、飲み会に1人だけ呼ばれなかったり、事実と異なる評価を言いふらされた」(44歳女性)といった体験談が寄せられた。
パワハラにどう対処したかを伺うと、およそ3人に1人が「退職した」(35%)、「気にしないようにした」(33%)、「パワハラをしてくる人とは別の上司や先輩に相談した」(31%)とのこと。人事やハラスメント対応窓口、公的機関などに相談するよりも、自ら環境を変えるか、現状のまま耐えるという回答が多かった。
パワハラをなくすために有効な方法としては、「第三者機関による社内風土のチェック体制をつくる」(50%)、「厳罰化」(46%)、「パワハラの定義を明確にする」(46%)が上位に。
また、「ご自身がパワハラをする側になる可能性、または経験がありますか?」と聞いたところ、29%が「ある」(実際にパワハラをしたことがある2%、自分の行動がパワハラではと思ったことがある27%)と回答。約3割が、自身もパワハラの加害者になっているのではないかと不安を感じていることがわかった。
最後に、パワハラにならないよう気をつけていることを教えてもらったところ、「なにか注意をする際は、他人の目に触れないところで行なう。また、いまなぜ注意をしたか、理由を説明するようにしている」(35歳男性)、「指摘すべき内容をあらかじめ列挙し、それ以外のことは言わない。話している流れで、今回とは関係ない事項について注意してしまわないようにする。また、大前提として声を荒げない」(39歳男性)、「感情的にならない。感情的になりそうなときは、一旦冷静になって考える。仲のいい同僚などに、一度客観的に話を聞いてもらうと、感情の整理ができる」(44歳男性)、「教育のつもりが批判にならないよう、本人の成長に向けて改善点を提案し、最終的には本人の判断に委ねるという形を取っています」(45歳女性)といった意見が並んだ。