国土交通省は19日、昨年7月に公表した「鉄道の輸送トラブルに関する対策のあり方検討会」のとりまとめにおいて、台車枠の重点検査箇所の指定や検査方法を見直す必要があるとされたことを受け、「台車枠の検査マニュアル」を改正したと発表した。

  • 新幹線「のぞみ」の重大インシデント発生などを受けて設置された「鉄道の輸送トラブルに関する対策のあり方検討会」において、最適な台車枠のき裂対策等がとりまとめられ、台車枠の検査マニュアルが改正されることになった

東海道・山陽新幹線「のぞみ」の台車枠に大きなき裂が見つかる重大インシデント(2017年12月発生)をはじめとする輸送トラブルを受け、「鉄道の輸送トラブルに関する対策のあり方検討会」が設置され、最適な台車枠のき裂対策などがとりまとめられた。

この中で、「台車枠の検査マニュアル」における重点検査箇所の指定や検査方法について見直す必要があるとされたことを受け、今回のマニュアル改正を実施したという。「台車枠の検査マニュアル」は、「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」および同省令にもとづく告示の内容を具体化した「解釈基準」として国が示したもの。

おもな改正の概要として、重点検査箇所の指定に関して、従来の台車枠き裂発生事例集で示されたき裂発生箇所に加え、「溶接部からき裂が進展したときに大事に至るおそれのある箇所」「疲れ許容応力に対して発生応力の余裕が小さい箇所」などを追加している。

重点検査箇所の検査方法についても、従来は探傷検査や目視検査の具体的な方法が明文化されていなかったが、今回は日本工業規格(JIS)において定められている方法などを参考に検査することとしている。