お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志が、17日に放送されたフジテレビ系トーク番組『ワイドナショー』(毎週日曜10:00~11:15)で、昨今の“正義感ブーム”についてコメントした。
この日、散歩中に犬を蹴り上げて波紋を呼んだ飼い主の話題に。飼い主は「虐待ではなく“しつけ”」と主張しているが、蹴り上げる一部始終の様子が第三者によってSNS上にアップされ、動物保護団体は動画から現場を特定。飼い主から犬を引き取って保護したという。
過去に犬を飼っていたこともあるという松本は、「引きますよね。もし、身内とか周りにいたら『何してんねん!』と言います」と飼い主を非難。その上で、「みなさんと同じ意見なんですけど。ただ、罪と罰のバランス悪くないかな。ここまで全国ネットでやられて、これだけ全国民から言われてしまうのか」と違和感がある様子で、「みなさんと同じ気持ちなんですけど、一緒に尻馬に乗るほど言えないなぁ」と複雑な心境であることを伝えた。
また、SNS上にアップされた動画をきっかけに問題化するケースが増えていることに触れ、「最近の正義感ブームみたいなものに、違和感を感じます」という見方も。「正義感だからね。いいことなのかな。でも、すげえみんな正義感でぐーっと来るから。俺もそこそこ正義感あるけど、そこまで正義感ないから恐いわ」と素直な感想を述べた。
「(街中でも)どっかで撮られてんちゃうかな。何やろこの息苦しさは」と吐露し、信号待ちなど当たり前のことでも、「やらされてる感じ」になっているという松本。ネットでさらされた悪事に対して集中砲火を浴びせる世間の風潮を、「病気に対してのお薬が強すぎひんか」と表現して疑問を投げかけた。
社会学者の古市憲寿氏も松本の意見に共感し、「正論は誰も否定できない以上、それ自体が暴力になりがちだと思うんです。あまりにも正論は強すぎるから。正論を振りかざす時、本当は謙虚にならないといけないのに、『正論だ正論だ』といって燃えすぎてしまうのはどうかなと思います」とコメントしている。