神戸市交通局は16日、市営地下鉄西神・山手線の新型車両6000形の営業運転を開始した。初列車は西神中央駅10時7分発の谷上行。同車両は既存の1000形・2000形・3000形の置換えとして導入され、今後5年間で全28編成を順次更新する予定となっている。
西神・山手線では約25年ぶりという新型車両6000形は、「KEN OKUYAMA DESIGN」がデザイン監修を担当し、神戸市を拠点とする川崎重工が製造。3種類のデザイン案から市民の投票で決定した愛嬌のあるデザインを採用している。車体前面や側面のラインに鮮やかな緑色を配し、車両番号は神戸市電時代からの伝統あるレタリングを引き継いでいる。
車内は落ち着きのあるカラーリングとし、各部に丸みを帯びたシンプルな形状を用いた上質な空間に。「快適性向上」「バリアフリー対応」「安全性向上」「省エネ向上」をコンセプトに、座席幅の拡張と窪み付きシートの採用、車いす・ベビーカー利用者らに向けた優先スペースと優先座席の設置、ホームドアとの連動対応、火災対策の強化、各種照明のLED化などを行った。
同車両はこれまでに2編成搬入され、昨年9月に名谷車両基地で開催されたイベントにて、2編成並んでお披露目された。2月8日の報道向け公開に続き、2月9・10日に市民向け試乗会(全4回)が行われ、計1,000名が参加したという。営業運転初日となった2月16日も、初列車の始発駅となる西神中央駅をはじめ、各駅のホームや沿線に多くの鉄道ファンらが集まっていた様子。新型車両への関心の高さをうかがわせた。
新型車両6000形の営業初列車は10時7分、西神中央駅1番線ホームから発車した。初日はデビュー記念のヘッドマークを掲げた1編成(6129~6629)のみ使用し、終日にわたり谷上・新神戸~西神中央間で運用される予定。もう1編成(6130~6630)は週明けをめどに運用を開始するという。6000形は2019年度に7編成の導入を予定しているとのことで、2022年度まで順次導入され、西神・山手線の車両を更新していく。
なお、既存の地下鉄車両に関して、神戸市交通局は廃車処理を行う事業者募集を発表している。業務内容は「西神・山手線車両42両を受託業者の作業場に搬出し、廃棄物が最小限になるよう減量を図りながら分別解体し再資源化し、再資源化できない廃棄物は法令に基づき適切に処理を行う」、履行期限は「平成32(2020)年3月31日まで」とされた。
交通局のサイト内で仕様書が公開され、2019年度内に搬出を行う対象車両として「1000-02形 15号車」「1000-02形 9号車」「3000形 23号車」「3000形 27号車」「3000形 24号車」「1000-01形 2号車」「1000-02形 11号車」の7編成(いずれも6両編成)が示された。ただし、3000形23号車は「先頭車一両の前面部分を除く」としており、3123号車の先頭部分をカットモデルにする予定だという。