音楽アプリゲーム『8beat Story♪』(エイトビートストーリ―、以下『エビスト』)から誕生したユニット・2_wEi の1stライブ「Driven to Despair」が2018年11月18日、東京・duo MUSIC EXCHANGEにて行われた。

  • 「Driven to Despair」

出演者は虎牙アルミ役の野村麻衣子と虎牙ミント役の森下来奈。マイナビニュースでは、最初から最後まで魂の限り叫び続けた2_wEiの初ワンマンライブの模様をレポートする。

アルミとミントは元々、虎牙優衣(CV:芹澤優)により、ボーカルソフトシリーズ「2_wEi」として作られ、そして世の中に出回る前に処分されたボーカルアンドロイド。

その後、音楽をアンドロイドによって支配しようとするMotherたちの意思により、アンドロイドの進化型「Type_Z」として肉体とともに再生した存在である。そんな二人が歌うのは「憎しみ」と「絶望」。歌うために作られたはずなのに、なぜ歌う前に処分されたのか、なぜこの世の中に生まれてきたのか、そして、すでに世界からいなくなった優衣の願いに気づくのが遅すぎて取り返しのつかないことをしてしまった二人は「絶望」を人間たちにぶつける。

その強くて尖りすぎた想いがゆえ、二人が歌う曲は基本的に攻撃的なサウンドばかり。そのサウンドを二人の歌声が昇華させ、聞いている人々を熱くさせる。「Despair」から始まった2_wEiの1stライブでも駆け付けた方々を読んで字のごとく“虜”にした。

「生きていることを証明してみます」「皆さんの心に最高の絶望を刻み込みます」「すべてを出し尽くす覚悟はできているんだろうな?」。MCでも挑発的な言葉を放つ二人。それくらい強気な言葉で煽っておきながらも、駆け付けた方々は二人に魅了される。

それは彼女たちのパフォーマンスが“ホンモノ”であったからだ。歌で「絶望」を叫ぶアルミ、そして姉だけいればそれでいいという一途すぎるミントの歌に迷いはない。彼女たちの歌声に、会場が支配されていくと感じた。

熱気冷めやらぬなか、ラストナンバーである「Pain – pain」を二人が絶唱。最後まで挑発的な言葉をけしかける彼女たちは時折笑顔を見せることもあった。心が空っぽだったアルミと、そんな姉にただただ必要とされたいミントの笑顔……。それは何を意味するのか。

「歌う」ために生み出されたのに、「歌えないまま」存在を消され、そしてアンドロイドとして生まれ変わり「絶望を歌う」二人の実直な想いがその表情に表れているようにも感じた。様々な想いがぶつけられ、「2_wEi」の存在意義が証明されたライブは、鳴りやまない歓声と拍手に包まれたまま幕を閉じた。

ライブが始まる前、アルミとミントの産みの親である虎牙優衣が、ライブ会場へ駆けつけた方々へ二人のライブを見守ってほしいと願っていた。優衣はきっと、こんな歌をアルミとミントが歌うとは想像していなかっただろう。それでも彼女たちが「歌っている」ことは優衣にとっては救いとなっているのかもしれない。

圧倒的な実力を魅せ付けた2_wEiは2019年3月10日に「Driven to Despair in TOKYO Final」を渋谷 WWWXにて開催する。同じく『エビスト』から誕生し、アイドルソングや希望溢れる歌もたくさんの人たちに届ける「8/pLanet!!」が1stライブを行った地で彼女たちはどんなパフォーマンスを魅せるのか。二人は存在意義を証明するために、再び「絶望」を歌う。