iPhoneの側面に格納されている指先サイズの「SIMカード」。iPhoneを購入して以来一度も目にしていない、という人も多いはず。しかし、iPhoneを手に取ればわかりますが、SIMカードスロットを引き出すための孔はむき出しですから、1分もあれば持ち主の目を盗み取り出すことも不可能ではありません。SIMカードが盗まれるとどうなるか、一度は考えてみるべきでしょう。
実のところ、SIMカードはスマートフォンにおいて非常に重要です。その最大の理由は、SIMカードには電話番号が記録されていること。SIMカードの実態部分であるマイクロチップには、携帯電話番号や回線契約に関する情報が記録され、それによりSIMカードを挿したスマートフォンが携帯電話として機能します。SIMカードのないスマートフォンは画竜点睛を欠くどころか、キャリアの音声通話に対応しないという意味で携帯電話とはいえなくなります。
SMSで送信されてくる数値(ワンタイムコード)を個人認証に使う「2段階認証」にも、SIMカードが欠かせません。SMSは電話番号を目印にメッセージを送信しますから、SIMカードがなければSMSは届かず、2段階認証が必要なWEBサイト/サービスにはアクセスできなくなります。
SIMカードが他人の手に渡ると、面倒なことになります。勝手に引き抜かれて他のスマートフォンに挿入されれば、その電話番号を利用した音声通話や通信サービスが好き放題にされてしまいます。万が一に備え、SIMカードには暗証番号(SIM PIN)を設定しておきましょう。
不幸にももしSIMカードが盗まれてしまった場合には、利用している通信キャリアに連絡して回線停止や機能ロックなどの手続きを取ります。一般的にSIMカードは携帯電話会社からの貸与品ですから、数千円の再発行費用が請求されることをお忘れなく。