レノボ・ジャパンはこのほど、日頃から会議に参加している全国の20~60代の社会人を対象に行った「Web会議システムに関する調査」の結果を発表した。
同調査は、オンライン会議システムの利用実態およびテレワーク制度に関する意識を調べたもの。2018年12月7日~14日、20~60代の会社員(団体含む)男女4,498名を対象に、インターネット調査にて実施した。
勤務先で採用・導入している制度や働き方を調査したところ、「テレワーク制度を導入している」と答えた人は全体の10.1%で、約1割という結果になった。この結果を企業規模別で見てみると、従業員数が300人未満の企業に勤務する人は4.5%と最も低い数字であったのに対し、300~3,000人未満の企業では13.4%、3,000人以上の企業では21.8%と、企業規模が大きくなるにつれて、テレワーク制度の導入が行われている実態が明らかになった。
約1割(回答数453名)の企業が導入しているテレワーク制度だが、うち5割の人はこの制度を活用できていないという結果も出ている。この調査結果を年代別に見てみると、20代では「テレワークを活用している」と答えた人が6割を超え、積極的にテレワークを活用している傾向が見られたのに対し、30代以降では半数前後と、まだまだ活用が進んでいないという結果となった。
テレワークを活用しにくいと思う理由を調査したところ、「セキュリティが心配」(46.6%)などと共に「業務でのコミュニケーション量が減る」(52.8%)、「職場で実施される会議に参加できない」(41.5%)というコミュニケーションの悪化を懸念する項目も高いスコアを示した。
さらに「上司や同僚に遠慮する・気を遣う」(40.4%)、「取引先に遠慮する・気を遣う」(36.2%)といった理由が挙げられた。テレワーク制度、モバイルPCの支給といったシステムに加え、こうしたコミュニケーションのカルチャーもテレワーク普及の重要なファクターであることがうかがえる。
さらにオンライン会議を利用し、かつテレワーク制度を活用している回答者(n=200)に調査したところ、オンライン会議の“オフィス側"の接続拠点となる会議室の利用については、問題を抱えている実態が明らかになっている。今回の調査では、「会議室が不足している、確保できない」と感じる人は全体の73.0%にも及んだ。
会議室が不足している原因としては、「そもそも会議室の数が少ない」(54.8%)という物理的な理由と、「予定時間を超えて前の会議が続く」(43.2%)、「早く会議が終わっても予約が開放されない」(31.5%)といったシステムや人のマナーにも問題があることがわかった。
また、オンライン会議中での不満点として、「音声が途切れる」(34.5%)、「音声がクリアでない」(31.5%)などの、音声に対する不満が課題となっていることがわかった。さらに、「機器の操作性が悪い」(17.0%)、「設定が複雑」(11.5%)といった操作性や設定についての課題も上位にあがる結果となった。
また、オンライン会議システムや機材の設定が原因で会議の開始が遅れることがあるかを調査したところ、「5分程度遅れる時がある」という回答は約半数(47.5%)にのぼり、さらに全体の約2割(19.5%)は「6分以上遅れる時がある」という実態も明らかとなった。
国内外の支社や取引先との連絡や会議の手段として、重要なオンライン会議が積極的に活用されており、オンライン会議は企業として必要なものとなっていて、今後もオンライン会議を実施したいと回答した人は全体の7割近く(68.0%)にのぼった。そのため、「会議室が使えない」という不満は、今後テレワークを含む「働き方改革」が浸透していく中で、大きな障壁となることが予想される。