2月14日は平成最後の「バレンタイン」です。最近ではバレンタインチョコレートは、“友チョコ”や、自分へのご褒美として購入する人も多いとのことですが、やっぱり好きな人に贈るドキドキ感がバレンタインの醍醐味ではないでしょうか? そこで今回、映画パーソナリティであり、映画で恋愛心理分析や心理テストの作成も手がける伊藤さとりさんに、「恋がしたくなる映画」を5本厳選してもらったのでご紹介しよう。

  • 映画パーソナリティの伊藤さとりさん

    映画パーソナリティの伊藤さとりさん

恋がしたくなる映画5選

『バレンタインデー』(2010年米)

日本ではバレンタインデーは、“好きな男性にチョコレートを贈る”のがなんとなく通例になっているけれど、アメリカでは“好きな人に花束やケーキなどを贈る”のが通常。そのまさにバレンタインデー当日の映画がこちら。とびきりスウィートでロマンティック、群像劇ながらキャストがハリウッドを代表するトップスターばかりで、ジュリア・ロバーツや、アン・ハサウェイ、アシュトン・カッチャーなど美男美女揃い。しかも『アリー/スター誕生』の監督で主演のブラッドリー・クーパーの若かりし頃も観られるお得感。小学生の恋から、高校生カップル、社会人の恋、老夫婦の愛など、多種多様な“愛の告白”が描かれているので、誰かしらに共感してしまう。名作『プリティ・ウーマン』のゲイリー・マーシャル監督の“恋の魔法”にかかれば間違いなく恋人が欲しくなる!?

『めぐり逢えたら』(1993年米)

バレンタインシーズンにピッタリのもう一本がこちら。今やベテラン演技派俳優となったトム・ハンクスがラブストーリーに出演し、世界的にも大ヒットを記録。日本ではDREAMS COME TRUEが「WINTER SONG」という日本版テーマソングを歌ったことも話題に。当時ラブコメの女王と言われたメグ・ライアンが主演を務め、カーラジオから聞こえてきたシングルファーザーに運命を感じ、2月14日にエンパイアステートビルで会いたいとラブレターを送るお話。この設定があまりにロマンティックで、映画を観た恋人同士がNYに行くとエンパイアステートビルに登り、聖地巡礼をするブームまで巻き起こった。身も心もハートで満たされる映画。「この人だ!」と思ったら、運命を信じてアタックすると、いつか恋人とNYへロマンティック旅行が叶うかもしれない。

『星願 あなたにもういちど』(1999年香港)

涙腺が緩む号泣ラブストーリーの上位に君臨する香港発ファンタジー・ラブストーリー。日本でもリメイクされたけれど、やはり本家の映画の素晴らしさには及ばない。小さい頃の事故により、見ることも話すことも出来ない青年が、自分に優しく接してくれる看護婦に恋をする。彼は彼女への想いをサックスの音色で夜空へと届けていたが、ある日、不慮の事故で亡くなってしまう。しかしあまりに不憫に思った神様の計らいにより、違った姿で5日間だけ地上での生活を許されるのだ。顔も見たことがない相手に恋をする。それこそ“心の目”で相手を見ている証拠。この映画の主人公を演じた人気歌手リッチー・レンの狂おしい恋心を抱く演技にただただ涙。そして看護婦を演じたセシリア・チャンがひたすら美しい。恋の美しさを知る究極の純愛映画。

『愛しのローズマリー』(2002年米)

本年度アカデミー賞にもノミネートされている『グリーンブック』のピーター・ファレリー監督が、弟と撮ったラブコメディ。昨年公開された『アイ・フィール・プリティ!人生最高のハプニング』に似て非なりの思い込み型恋愛劇は、恋をすると脳内が幸せに満たされることを教えてくれる。主演は、『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』の人気コメディ俳優・ジャック・ブラックと、『アベンジャーズ』でペッパーを演じるグウィネス・パルトロー。美女しか好きになれない主人公が催眠術にかかり、スレンダーな美女に恋をするのだけれど、実際は、体重100キロ超えの女性だというファンタジー・コメディ。外見よりも内面。理想ばかり追っていると、楽しい恋は出来ないという教訓も! デートシーンもいちいち笑えて、誰かとデートしたくなること間違い無し。

『ラ・ブーム』(1980年仏)

ちょっと懐かしい映画ながらも胸キュン必死の、初代“バックハグ”(変化球版)の金字塔映画であり、当時、多くの人を魅了したアイドル恋愛映画。しかも主題歌「愛のファンタジー」が流れるシーンというのが、そのバックハグ的名シーンであり、とにかくロマンティック。オーディションで選ばれた13歳のソフィ・マルソーが可愛らしく、フランスの学生生活もませている様子が伺える。初恋の甘酸っぱさが全身に伝わり、恋ってこんなに苦しくて恋しくて幸せなんだと気付かせてくれる傑作。まだあどけない2人の恋の行方にドキドキしながらも、ヒロイン・ヴィックの両親の離婚問題など実はシリアスなテーマも詰まった見応え十分の青春恋愛映画。今の“胸キュン映画”を作った監督や『モテキ』の大根仁監督なども、実はこの映画の影響を多大に受けているのだよ(笑)

※年号はすべて製作年

監修者プロフィール: 伊藤 さとり(いとう さとり)

邦画&洋画の記者会見や舞台挨拶を週5回は担当する映画MCであり、年間500本以上映画を観る映画コメンテーター。TV、ラジオ、雑誌、WEBなどで映画紹介のレギュラーを持つ。

TSUTAYA店内放送「WAVE-C3」で新作DVD紹介のDJを担当。俳優との対談番組ケーブルテレビ無料放送チャンネル×ぴあ映画生活×Youtube:動画番組「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、スターチャンネル、東映チャンネルでの映画解説、デイリースポーツでスターの魅力コラム連載他、日刊スポーツ映画大賞審査を務める。また心理カウンセリングも学んだことから映画で恋愛心理分析や心理テストも作成している。