部屋探しをする時は、設備などさまざまな条件にこだわりたいもの。ですが、設備は充実していればしているほど、どうしても家賃は高くなってしまいます。こんな時どうしたらよいのでしょうか。不動産・住生活ライターの高田七穂さんにお話を伺いました。
Q バストイレ別が条件だけど、家賃が高くなる…。どうすればいい?
A どうしてもガマンできないかどうか、もう少し想像してみましょう。
はじめての一人暮らしで住む部屋を探す時は、さまざまな希望条件を挙げてしまいがち。実家では、ゆったりしたお風呂に入れて、トイレも温水洗浄便座があって……という生活をしていた方であれば「借りるなら、バストイレは絶対に別がいい。トイレの横でお風呂に入りたくない!」と思うのも理解できます。
しかし、バストイレ別の物件は、バス・トイレ・洗面台が一体になった物件よりも家賃が高く設定されていることが多いもの。バストイレ別が良いけど家賃が高くなるのは避けたい…。こうなると、悩みますね。
少し考えてみましょう。もし、平日は仕事が忙しくて帰ってくるのは夜遅く、休日も外出が多かったらどうでしょうか。室内で過ごす時間は限られます。お風呂もシャワーでささっと済ますかもしれません。そうなると、あまりバストイレ別にこだわらなくてもいいのでは、と思えてきませんか。
同様に「日当たりのよい部屋がいい」「居室は広いほうがいい」という条件を重視したいと思っている人も、室内で過ごす時間が短ければ、それほどこだわらなくてもよいかもしれません。外出が多いのであれば、むしろ「駅に近い」という条件を重視したほうが快適な生活を送れる可能性もあります。
「どうしても譲れない」という条件があっても、今一度、自分の生活に「本当にその条件が必要か」を考えてみましょう。当初、バストイレ洗面所が別の物件を探していたのに、トイレと洗面所が同じ空間にあるタイプに住んでみて「暮らしてみるとあまり気にならなくなった」という人もいます。
どんな住まいでも自分の条件をすべて満たしたものを見つけるのは難しいこと。はじめての一人暮らしだと「あれもこれも」「どれを重視してよいのかわからない」ということになるかもしれませんが、自分の生活スタイルを振り返って、「本当にそれが必要か」をよく考えてみましょう。逆にこだわり条件をあきらめたことで、「部屋が広くなった」「眺望がよい」など別のメリットが得られるかもしれません。
インターネットで物件を検索する場合も、そのこだわりを外して探してみると、意外に気に入る住まいが見つかる可能性もありますよ。
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高田七穂(たかだ なお):不動産・住生活ライター。住まいの選び方や管理、リフォーム、住まいにまつわる暮らし方などを専門に執筆。モットーは「住む側や消費者の視点」。「夕刊フジ」にて『住まいの処方銭』連載中