先輩から「依頼が五月雨式に来てるから、まとめておいて」と言われた。「さみだれしき」ってどういうこと? というわけで今回は、ビジネスシーンでも使われる「五月雨式」という言葉について解説します。
■「五月雨」「五月雨式」とは
「五月雨」は「さみだれ」と読み、梅雨時に続く小雨のことを指します。梅雨なのに5月? と思った人もいると思いますが、「五月雨」の5月は陰暦であって、これは現在の6月にあたります。
「五月雨式」とは、梅雨時に途切れながらも続く長雨のように、物事が断続的に行われることを意味します。つまり、一つの案件について一度で済ませるのではなく、小分けにして何回も行う状態のことを指します。
■「五月雨式」の使い方と例文
「五月雨式」の意味が分かったところで、ビジネスシーンでは実際にどのような使い方をするのか、具体的な事例を挙げて解説したいと思います。
五月雨式に連絡(メール)する場合
「五月雨式」という言葉がよく使われるシーンと言えば、ビジネスメールです。例えば、こんなメールを送ってしまった経験はありませんか?
・先方に発注メールを送ったばかりなのに、追加追加で、結局何通もの発注メールを送ってしまった。
・顧客に「イベント開催案内」のメールを送った直後、会場の地図を添付し忘れていたことに気付き追加で送信。さらに翌日、補足として「お車で来られる際の駐車場利用について」という案内メールを送ることになってしまった。
いずれのケースも、本来であれば1通のメールで済むところを、続けざまに複数のメールを送信しています。こんな時、「五月雨式に申し訳ございません」という使い方をします。「だらだらと何度もメールしてすみません」という意味の謝罪の一文です。
やむを得ず五月雨式に納品する場合
次は、前もって「五月雨式」になってしまうことが分かっているケースです。
・品物1,000個を受注したものの、災害などの理由で原材料が入手困難となり、やむを得ず、完成した分だけを順次納品することとなった。
このようなケースでは、「出来上がったものから五月雨式に納品させていただきます」「五月雨式な納品になってしまい、心よりお詫び申し上げます」などと表現することができます。
その他例文
・今月は五月雨式に会議が続く。
・五月雨式で構いませんので、細かく報告を入れて下さい。
・五月雨式に料理が出てくる。
五月雨式は、相手を不愉快にさせてしまうだけに、ビジネスとしては失敗と評価せざるを得ない状況です。しかしながら、そんな相手の気持ちを少しでも和らげてくれるのが、美しい日本語の良さだと感じます。言葉を上手にチョイスすることで失敗をカバーする………それもまた、重要なビジネススキルの一つと言えるかもしれませんね。