結論からいうと、Safariの「キャッシュ」は放置してかまいません。理由を述べる前に、キャッシュとはなにかをかんたんに説明しておきましょう。
ソフトウェアにおいて「キャッシュ」とは、利用したデータを一時保存しておき再利用時の効率を高める機構をいいます。再利用の可能性が高いデータは、廃棄せず手もとに置いておけば、いちから作成したり他から取り寄せたりする手間を省けるからです。
SafariのようなWEBブラウザは、このキャッシュ機構が快適な動作に大きく貢献しています。あるWEBサイトにアクセスしたとき、表示したテキストや画像といったデータを手もと(内蔵ストレージ)に蓄えておけば、再びアクセスしたときダウンロードし直す必要がないので高速に表示でき、通信費用や消費電力を節約できます。
Safariはつねにキャッシュ機構が有効な状態のため、基本的には表示したWEBページが増えるにつれキャッシュ量が増加します。しかし、キャッシュされたデータを永遠に使い続けるわけではなく、キャッシュの有効期限(WEBサーバ側がコントロールします)を過ぎていれば取得し直すしくみですから、古いデータが表示されるかもという心配にはおよびません。キャッシュはSafariがきちんと管理しているので、ユーザが削除などの処理を意識する必要はないのです。
Safariによりどれほどのデータがキャッシュされているかは、『設定』→「一般」→「iPhoneストレージ」→「Safari」の順に画面を開き、「Webサイトデータ」行を確認すればわかります。この画面からキャッシュを削除できますが、対象にはクッキー(WEBサイトをアクセスした日時や回数などが記録されたもの)も含まれますから、ログインが必要なWEBサイトでは次回アクセスしたときIDやパスワードを再入力することになります。