◆本記事はプロモーションが含まれています。
【この記事のエキスパート】
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート:石関 華子
埼玉県出身、高知県在住。一児の母。慶應義塾大学文学部仏文科卒。三越日本橋本店の洋酒担当を経てワインやビール、ウィスキーなどの洋酒全般の知識を培い、2016年、J.S.Aワインエキスパートの資格を取得。
現在はOffice Le Lionの代表として、高知県内のワイナリーのアドバイザーやワイン検定の講師を務める一方、ワインに関連する記事やコラム等の執筆も多数手がけています。2019年、日本ソムリエ協会高知支部副支部長に就任。
お祝いや特別なシーンなど、乾杯に欠かせないシャンパン。シャンパンで乾杯したいというシチュエーションで、「どのシャンパンを選べば良いか分からない」と感じたことはありませんか? 本記事ではそんなシャンパンの選び方とおすすめ商品を紹介していきます。
ワインエキスパートに聞く
シャンパンの選び方
ワインエキスパート石関華子さんに、シャンパンを選ぶときのポイントを5つ教えてもらいました。
「シャンパン」の定義を押さえる
【エキスパートのコメント】
シャンパンの正式名称はシャンパーニュ。スパークリングワインのことをすべて「シャンパン」と呼ぶ方もいらっしゃいますが、残念ながらこれは間違いです。
シャンパーニュと名乗れるのは、
・フランスのシャンパーニュ地方で造られたもの
・特定のブドウ品種(後述)を使用する
・製法は瓶内で二次発酵させる「トラディショナル方式」
・熟成期間は15ヶ月以上の熟成期間
などの諸条件をクリアしたスパークリングワインだけ。
シャンパーニュが高価である背景には、このような厳しい条件が存在するのです。逆に、フルボトルで5,000円以下で売られているものは、いわゆる「訳アリ」なのでは、と個人的には感じてしまいます。
生産者から選ぶ
【エキスパートのコメント】
ほとんどの方が、「ドンペリ」や「モエシャン」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
これらはシャンパーニュの大手生産者である「ドン・ペリニョン」や「モエ・エ・シャンドン」の略。シャンパーニュのブランド名としても定着していますね。このような大手の生産者から選ぶか、中小規模の生産者から選ぶか、というのが選ぶときのポイントになります。
安定した味わいが多く、広くその名を知られる大手のシャンパーニュは、初心者やギフトに向いています。一方、知る人ぞ知る中小規模の生産者は、個性的なシャンパーニュを造るところもあり、大手のものを一通り味わい尽くしたという中・上級者におすすめです。
ブドウ品種やブレンド比率から選ぶ
【エキスパートのコメント】
シャンパーニュに使用が認められているブドウ品種は、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエの3種類のみ。この3種類の品種を、それぞれの生産者が独自の配合でブレンド(セパージュ)し、そのシャンパーニュの味わいを生み出しています。
「ブラン・ド・ブラン」と呼ばれるシャルドネのみから造られているものや、シャルドネの比率が多いものは繊細でエレガントな味わい、ピノ・ノワールやピノ・ムニエの比率が多いと、コクや重厚感のある味わいに仕上がる傾向があります。
少々専門的にはなりますが、お好みに応じて、ブドウ品種やブレンド比率から選ぶというのも良いでしょう。
テイストから選ぶ
【エキスパートのコメント】
シャンパーニュには辛口タイプのものから甘口タイプのものまで、さまざまなテイストのものがあります。
19世紀後半までは甘口タイプのものが主流でしたが、現在では食事に合わせやすい辛口タイプが主流となってます。ワインやシャンパーニュをあまり飲んだことがなく、甘いものがお好きな方なら甘口が飲みやすいかもしれません。逆に、普段からワインやお酒をよく飲まれる方であれば、辛口タイプのものを選ぶと良いでしょう。
ここでは、それぞれのシャンパーニュのテイストも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
正規品を選ぶ
【エキスパートのコメント】
シャンパーニュはもちろん、ワインもとてもデリケートな飲み物です。そのため、保存状態が悪いと、劣化を招いてしまいます。
ネットショッピングのサイトでは、たまに「並行輸入品」というシャンパーニュを見かけます。「高価なシャンパーニュが安く変えてラッキー」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、中には輸送や保管の状態などが悪いものもあり、その品質は保証できません。せっかくのシャンパーニュの風味も、品質が劣化していたら台無しです。少し高くても、正規品を選ぶようにしましょう。
もっと知っておきたい、シャンパンの選び方
エキスパート石関華子さんのシャンパンの選び方、目から鱗だったという人も多いのではないでしょうか? そのほか知っておきたいシャンパンの選び方をご紹介します。
シャンパンの格付けで選ぶ
フランスワインには「格付け」が付きものですが、シャンパーニュにも格付けがあります。クオリティが高いシャンパンを選びたいときには、格付けが高い「特級」を選ぶと良いでしょう。シャンパンの格付けは厳格なフランスのワイン法で定められたものです。品質基準を守るために厳しいルールを満たしているのはもちろん、シャンパーニュ地方の中でも気候や土壌などより栽培条件に恵まれた村で生産されるシャンパーニュにだけに与えられています。
シャンパーニュの格付けは最高格付である特級の「グラン・クリュ (17の村が指定)」と一級の「プルミエ・クリュ(42の村が指定))」の2つ。特級のグラン・クリュの中でも、モンターニュ・ド・ランス地区の「Verzenay (ヴェルズネイ)・Ambonnay (アンボネイ)・Bouzy(ブジー)」、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区の「Ay(アイ)」、コート・デ・ブラン地区の「Chouilly(シュイイ)・Cramant (クラマン)・vize(アヴィーズ)・Oger(オジェ)・Le Mesnil-sur-Oger(ル・メニル・シュール・オジェ)」の9つの村で造られるシャンパーニュは特に名声が高く、重要産地として知られています。
シャンパンづくりの最高責任者で選ぶ
ものづくりには作り手の想いや意思が反映されます。シャンパンも、シャンパンを造る最高責任者によって味わいやこだわりに差が出るもの。そんな「シャンパン造りの最高責任者で選ぶ」方法も、シャンパン選びのユニークな方法の一つです。大手メゾンを含めてシャンパン造りの最高責任者は、書籍になっていたり、ホームページでその人物像が紹介されていたりすることも多く、比較的情報が入手しやすくなっています。
最高責任者たちのシャンパン造りの想いを知ると、自然とその人が作ったシャンパンを飲みたくなるはず。作り手の想いやシャンパン造りで苦労した点などを知る「顔が見えるシャンパン選び」は、シャンパン選びを楽しいものにしてくれるはずです。
M.N.かR.M.かで選ぶ
シャンパンのラベルをよく見ると、「M.N.」「R.M.」という表記が記載されています。この「M.N.」「R.M.」で選ぶのも一つの方法です。「M.N.」とは、ブドウの一部またはすべてを農家から購入してシャンパーニュを造るメゾンのことで、「Negociant Manipulant(ネゴシアン・マニピュラン)」を省略したものです。有名な「Moët et Chandon」「Veuve Clicquot」など、大手シャンパーニュメゾンのほとんどがこれに該当します。
これに対して「R.M.」は「Recoltant Manipulant(レコルタン・マニピュラン)」の略で、自社でブドウ栽培から製造までを行うシャンパンメゾンのこと。R.M.は比較的小規模メゾンであることが多く、こだわりの一本を見つけるならR.M.、失敗しない一本を選ぶならN.M.から選んでみてもいいでしょう。
選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)