この季節、室内を温めるために手放せないのが暖房器具。部屋を暖かくしてくれるありがたい存在ですが、室内の乾燥が気になってしまうことも。空気が乾燥していると、のどが痛くなったり肌がカサカサして痒くなったり、不快に思う方も多いのではないでしょうか。そこで、部屋の乾燥が気になる時の対策方法について不動産・住生活ライターの高田七穂さんにお話を聞きました。
Q 部屋の乾燥がひどい。なにか対策はある?
A. 今年の冬は特に乾燥がひどいですね。室内では湿度に気を配りたいものです。加湿器などで室内の湿度を管理しましょう。加湿器は性能によって価格に幅がありますが、安いものであれば数千円程度で入手できます。湿度計も準備しておき、常に50~60%程度になるように気を配るとよいでしょう。
ただし、加湿器を使う場合はメンテナンスに気を配る必要があります。加湿器のメンテナンスを怠ると、白い塊ができたり、内部にカビができて室内に飛散したりする可能性があります。最悪の場合、カビが原因で病気を引き起こす恐れもありますので、そうならないためにも細心の注意が必要です。
まずは取扱い説明書をしっかり確認し、説明書に従ってメンテナンスをしましょう。加湿器には、超音波式や気化式、加熱式、複数のタイプを組み合わせたハイブリッド式があり、それぞれにメリットデメリットがあります。加熱式は、吹き出し口近くの湯気でヤケドをする危険性はありますが、いったん水をお湯にするため、他のタイプと比べて微生物の繁殖を抑えやすいと言われています。それでも定期的なメンテナンスは必要です。タンクやフィルター、加湿器の周囲もきちんと洗い、常に清潔な状態を保つようにしましょう。また、どのタイプでも水のつぎ足しや浄水器の水を入れることは避けたほうがよいでしょう。
ところで、室内の湿度が高くなると、朝起きたら窓に結露がびっしり…ということがあります。加湿器は窓や壁の近くには置かず、室内の真ん中に置くようにしましょう。また、結露を放置しておくと、壁などに黒カビが発生することがあるので、面倒でも起きたらタオルでふき取っておきましょう。結露の放置でカビが発生し、壁紙に拡大してしまうと、退去時に、修繕費用を負担しなければならないかもしれません。室内のメンテナンスも忘れずにすることが大切です。
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高田七穂(たかだ なお):不動産・住生活ライター。住まいの選び方や管理、リフォーム、住まいにまつわる暮らし方などを専門に執筆。モットーは「住む側や消費者の視点」。「夕刊フジ」にて『住まいの処方銭』連載中