1月28日、第12回朝日杯将棋オープン戦本戦の羽生善治九段―千田翔太六段戦、中村太地七段―渡辺大夢五段戦と、両対局の勝者同士、千田六段―渡辺五段戦が行われ、千田六段がベスト4に進出しました。本棋戦最多5回の優勝を誇る羽生九段は1回戦で姿を消しています。
これにより、勝ち上がり日19日の行方尚史八段、20日の藤井聡太七段、24日の渡辺明棋王と合わせ、ベスト4が全て出そろいました。
近況・実績では渡辺リードも混戦ムード
準決勝の組み合わせは渡辺棋王―千田六段戦、行方八段―藤井七段戦となります。
渡辺棋王と千田六段のこれまでの対戦成績は渡辺の3勝、千田の2勝となっています。これはすべて2016年度、第42期棋王戦五番勝負で対戦した時のもの。3勝先取のシリーズ、タイトル初挑戦の千田六段が○●○と先に2勝し獲得まであと1勝と迫りましたが、渡辺棋王が第4局、第5局に勝って逆転防衛を果たしました。渡辺棋王はこのシリーズで棋王戦5連覇となり、永世竜王に次ぐ自身2つ目となる永世称号「永世棋王」を獲得しています。
行方八段と藤井七段の一戦はこれが初手合となります。2017年に行われたAbemaTVの対局企画「若手VSトップ棋士 魂の七番勝負」での対局は藤井七段が勝利を収めています。
決勝戦のことも考え、これまでの対戦成績を左右のヤマを越えて挙げておきますと、渡辺11-8行方、渡辺0-0藤井、千田2-0行方、千田0-1藤井となっています(※トーナメントの並び順に列挙)。藤井七段、千田六段の若手2人はいずれも他の3棋士との対局が少なく、渡辺棋王―行方八段戦は19局が指されていますが、特筆するほどの差がついていません。
1月29日現在公式戦15連勝中で、実績面でも4人の中で唯一のタイトル経験者、現タイトル保持者である渡辺棋王が一歩リードと言えるかも知れませんが、行方八段は本棋戦第1回の優勝者、藤井七段は前回第11回の優勝者ですし、千田六段も通算勝率が7割を超える数少ない棋士の一人、[0.7294]は全現役棋士中藤井七段に次ぐ2位の記録となっていて、勝利者予想は非常に難しい状況です。
注目の準決勝、決勝は2月16日(土)に行われます。