俳優の松坂桃李が、4月スタートのカンテレ・フジテレビ系ドラマ『パーフェクトワールド』(毎週火曜21:00~)で主演を務めることが29日、分かった。初共演となる女優の山本美月が、ヒロイン役を演じる。
このドラマは、有賀リエ氏の同名コミックが原作。事故で脊髄損傷で下半身が不随になり、さまざまな支えを受けて夢だった建築士となったが、恋もエースとしてプレーしていたバスケも、もうしないと心に決めている鮎川樹を松坂。樹の同級生で、インテリアデザイン会社に就職し、初恋相手の樹との再会によって大きな変化を遂げつつある川奈つぐみを山本が演じる。
物語は、そんな2人が職場の飲み会をきっかけに偶然再会するところから始まるが、惹かれ合うほどに、親の反対や恋敵の出現、病気やケガなどの問題に直面する。松坂とは『サイレーン』、山本とは『嘘の戦争』で仕事をしたカンテレの河西秀幸プロデューサーは「原作をはじめて読んだ時、素敵なラブストーリーだけでなく、障がいについても深く描かれており、衝撃を受けました。障がいに対する自分の無知さを痛感するとともに、ぜひともこの素晴らしい作品を連続ドラマで丁寧に制作させていただきたいと思いました」と決意を語る。
松坂は「実は、連続ドラマで純粋なラブストーリーに挑戦するのは初めてなので、自分の中では新鮮で、『ラブストーリーやるのか~、ソワソワするな』とうれしい面もあれば、表情が崩れるような、正直こそばゆい面もあります」と心境をコメント。原作のモチーフにもなっている車イスの建築士・阿部一雄さんにも対面したそうで、「どの所作が難しいことなのかもわからないくらい自然にされていたので、後からそうだよな、とハッとさせられました。自然に見せるためには相当練習が必要ですし、とにかく頑張るしかないという気持ちが今は大きいです」と意気込みを示す。
また、初共演の山本については「アニメやゲームが好き…、同じニオイがします(笑)」といい、「女優さんとしては、思い切りがすごくいい印象というか。監督の意図に沿って全力でやるというイメージがあります。役に対しての思い切り、忖度(そんたく)でやるということではなく、純粋にそこに対しての気持ちよさを感じます。あと年上男性からすごくモテそう(笑)。ハッとさせられるような視聴者の方目線に近いのが、つぐみの目線であって、そこを皮切りに恋愛が始まり、共に困難を乗り越えていくと思うと今から楽しみです」と期待を述べた。
その山本は、松坂に対して「とても完璧な人!というイメージがあります。役者として先輩の松坂さんとご一緒させていただけるのは、とてもうれしいですし、頼もしいです。このような恋愛ドラマに出ることがあまりないので、松坂さんはじめ、キャストみんなで楽しい現場が作れたらうれしいです」と印象をコメント。
今作については「人を愛する心をまっすぐに表現している作品だと思いました。樹の障害を通して、私自身知らなかったことがたくさんあり、とても考えさせられました。私は少女漫画を普段あまり読まないのですが、久しぶりに読むと恋愛のもどかしさがなんだか新鮮に感じ、恋が愛へと変化する気持ちを見させていただいたような気がします」と感想を語り、「原作がしっかりとあるものなので、イメージをなるべく近づけられたら、と思います。実際に現場で監督や演者同士でお会いすると、色々と変わることは多いとは思いますが、自分の中のつぐみの樹への恋心を今から少しずつ育てて、ドラマと一緒にたくさん悩みながら成長させていけたらと思います」と意欲を示した。
原作の有賀氏は「松坂さんが樹役と聞いた時は、嘘じゃないだろうかと信じられなかったです。きっと樹の内面はもちろん、脊髄損傷の細かい仕草も丁寧に表現してくださるだろうと、安心感と期待でいっぱいになりました」「山本美月さんは、その可愛さはもちろん演技が前から大好きで、特に涙を流す時の表情が頭に残って離れない女優さんでした。山本さんに決まった時は本当にうれしかったです。笑顔や涙の仕草が、つぐみのイメージにぴったりと重なっていくのを感じました」と、期待を寄せている。