俳優の松山ケンイチと寺尾聰が、テレビ朝日系の5夜連続ドラマスペシャル『白い巨塔』(2019年放送)に出演することが29日、明らかになった。
腹腔鏡手術のスペシャリストとして医学界に名を馳せる、浪速大学医学部第一外科・准教授の財前五郎をV6の岡田准一が演じる今作。松山は財前の同期でライバル医師でもある浪速大学医学部第一内科・准教授の里見脩二を、寺尾は財前の師でもある浪速大学医学部第一外科・教授の東貞蔵を演じる。
岡田は「松山さんは常に里見としてしっかりと現場に立たれていて、安心感があります。こちらがガンガン攻めても、揺るぎなく真っ直ぐな目線で芝居をされる。胸に刺さるお芝居をされる方です」と評する。
そして「寺尾さんとは、じっくりと対峙(たいじ)しながらお芝居をしている感覚があります。東先生と財前は師と弟子であり、親子のようでもあり…。反発しているけれど、どこか甘えている部分もある、という愛憎の探り合いを感じます」と語り、「寺尾さんとは芝居を通して、たくさん会話させていただきました」と振り返った。
撮影について「物語の後半になるにつれて、財前が追い込まれていくので、撮影も苦しくなることが多くなりました」と明かし、「セリフを覚えたはずなのに、財前が不安だから自分も不安になって、芝居に自信がなくなってくるということもあり、終盤は戦いの連続でした。これまでに財前を演じられてきた歴代の方々も苦しまれたんじゃないでしょうか。僕も最後まで悩みつつ、皆さんに喜んでいただけるようなお芝居ができたらと思っています」と話した。
松山は「里見とは両極端な立場にいる財前を演じる岡田准一さんはとてもパワフルな演技をされる方で、『岡田さんがこう来るなら、僕もこうしよう』というふうに組み立てられていったので、より対比がある2人になっているのではないかと思います」と語り、「岡田さんと僕の演技の幅が広ければ広いほど、よりいろいろな世界が見られる物語になるのではないかと思うので、そこを意識して演じました」と語る。
寺尾は「何より、岡田准一くんと松山ケンイチくんという魅力的な2人が、この『白い巨塔』を描いてくれるということが出演の決め手でした」とオファーを受けた理由を告白。2人について「岡田くんとは大河ドラマ『軍師官兵衛』という作品で向かい合ったことがあるので、真っ直ぐな俳優さんだと分かっていましたし、松山くんとは初めてですが、彼の出演したいろいろな作品を通してある種の“太さ”を感じていました」と評価し、「日本のテレビ・映画界の中心になっているこの2人が、一体どうぶつかり合うのか…そしてこの2人の間に自分がどういられるのか楽しみでした」と感想を述べた。
テレビ朝日の船津浩一プロデューサーは「今回、この重要な役に松山ケンイチさんと寺尾聰さんを迎えられたことは大変な喜びであります」といい、「野望、医師としての良心、渦巻く嫉妬…。大学病院という封建的な人間関係が残る特殊な世界で繰り広げられる強烈な人間ドラマ。名優たちによる熱い競演にどうかご期待ください」と呼びかけている。