デルは1月25日、ゲーミングPCノート4製品(DELL G15、ALIENWARE m15/m17/AREA 51m)の発表を行いました。細かいスペックや価格は別記事にゆずり、ここでは発表会の模様をお伝えします。

米国本社からALIENWARE、デル ゲーミング & XPS 担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーを務めるフランク・エイゾール氏が来日し、ALIENWAREの歴史とeSportsへの思い、そして新製品について語りました。

  • 今回来日したDell Inc. ALIENWARE、デルゲーミング&XPS担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのフランク・エイゾール氏。ALIENWAREのの共同創業者です

ここ数年のPCゲーム業界はかなりの盛り上がりをみせており、2018年の市場規模は1,160億ドル、また、eSportsとストリーミングの市場も9億ドルと成長を続けているといいます。

急激に伸びているPCゲーム市場ですが、ALIENWAREは22年前からPCゲーミングに取り組んでいます。エイゾール氏もALIENWAREは最も認められたゲーミングPCブランドだとアピールします。

性能に妥協しないALIENWAREは多くのPCゲーマーの憧れですが、プレミアムブランドゆえに高価となっています。「PCゲームに参入しやすい安価な製品が欲しい」という声も寄せられていたとのこと。それに答えたのがDELL Gシリーズです。これによってブランドごとに役割が分かれ、DELL Gシリーズは広いゲーマー向けの製品、ALIENWAREはさらに先鋭的な製品を投入しています。

新筐体採用のDELL G5 15

今回の新製品として最初に紹介したのが、DELL Gシリーズのミドルレンジモデル「DELL G5 15」です。筐体を新たに設計しなおしたほか、スリムベゼルで最大144Hz駆動の液晶を採用します。

  • 発表された新製品。DELL G15。GeForce RTX 2060(MAX-Qデザイン)の搭載に対応したゲーミングノートPC

CPUにIntel Core i5/i7、グラフィックスにGeFoece RTX 2060を搭載しており、ゲーミングPCとしては十分な性能を持っています。ブラックカラーの通常版モデルと、外装がホワイトで、底板の一部がクリアになっているスペシャルエディションも投入されます。

  • スペシャルエディションは、外装が白でゲーミングPCっぽくありません。また、本体下カバーが一部シースルーとなっているあたりもポイントです

AREA-51がノートPCにも

2018年10月に新モデルが登場したALIENWARE m15には、新たにNVIDIA GeForce RTXモデルが追加されました。17.3型の大型ディスプレイを搭載したALIENWARE m17もALIENWARE m15と同じコンセプトの薄型筐体を採用しました。m15/m17ともにFHDモデルだけでなくUHDモデルも用意されます。

  • ALIENWARE m15はGeForce RTXシリーズ搭載モデルが追加されました

  • ALIENWARE m17は新登場で、こちらはGeForce RTXシリーズ搭載モデルのみとなっております

  • 両方並べると、大きさの差がわかります。なお、このネビュラレッドモデルはm15がFHDモデルのみ、m17はUHDモデルのみの提供で他のディスプレイは従来通りのエピックシルバーとなっています

  • ALIENWAREの構成例。右下にあるのがALIENWARE Graphics Amplifier。専用コネクタ経由でPC用グラフィックスカードを使えるようにするパーツで、今回のm15/m17/AREA-51mにも専用端子が付いています

最後に紹介されたのが、ALIENWARE製品として最も象徴的なモデル名「AREA-51」を冠したノートPC「AREA-51m」です。7カ月かけてSF系の映画やコミック、アートなどの資料を調査し、インスパイアを得て構想された「レジェンドデザイン」を採用しました。

  • ALIENWARE AREA-51m。ALIENWAREらしさにあふれるフラッグシップモデルです

  • CPUとGPUともにド級スペックのため、冷却のために筐体はかなり大型です

  • ホワイトモデルも用意。背面に入っている文字は、レジェンドデザインを採用する製品に共通するものだそうです

  • 個人的にはホワイトモデルが押し出しの強さもあって好みです

新しいAREA-51mの最大の特徴は、「デスクトップリプレースメント製品」というようにデスクトップ機と変わらぬ性能です。CPUはデスクトップPC向けの第9世代のCore iプロセッサ、GPUはGeForce RTXを搭載します。

  • AREA-51mはALIENWARE初、世界唯一の要素がつまっています

  • デスクトップPCと変わらぬということで、フルパワーで動かすためには電源を2つ使います。最大で510W(180W+180/240/330W電源で構成によって変化)と消費電力もデスクトップPC並

メモリもDIMMが4スロットあり最大64GBまで搭載可能、M.2 SSDコネクタも2つ、3.5インチSATAベイもあり「世界で最もパワフルなノート」とフランク氏は説明しました。

また、これらのパーツはユーザー自らが換装できます。ただし、CPUはデスクトップPCと同様のソケット「LGA1151」なのですが、GPUはデルの専用モジュール「DGFF」という形式で、いまの時点では製品に組み込んだ状態での出荷です。

CPUは最大199Wまで、GPUは最大180WまでのTDPをサポート。CPU/GPUともに将来のアップグレードが可能となっています。

  • AREA-51mの構成パーツも展示されました

  • AREA-51mのマザーボードとGPUボード。CPUはデスクトップ用のソケットが付いており、ユーザーがCPU交換することにも対応しています

なお、パーツを交換しても基本的に製品の保証は維持されますが、例えばCPU交換時にピン折れなどが起こった場合は自己責任とのこと。作業に不安があるユーザー向けに有償での交換サービスも提供する予定です。

  • (今回のAREA-51mで使われた)レジェンドデザインのバッグも展示されていましたが、発売予定等はまったくの白紙とのこと

日本だけでなく世界でLoLのスポンサードを開始

製品紹介に続いては、eSports関連の説明がありました。eSportsは、爆発的に市場が伸びており、今後10年で最もポピュラーなスポーツになるとフランク氏いいます。

その理由として「PCとネットワークがあれば、国も性別も身体差もなく競技に参加できるうえ、いまの若い世代はデジタルネイティブでテクノロジに生まれた時から馴染んでいる」ことを挙げました。

ALIENWAREとしては、アメリカの有名プロゲーミングチーム「Team Liquid」へのスポンサードをしており、すでにロサンゼルスに9,000平方メートルの専用施設を作っています。さらに、オランダに6,000平方メートルの施設を追加で作ることを発表し、こちらはトレーニングだけでなくヨーロッパ部門の本拠地となります。

  • ロサンゼルスにあるTeam Liquidのトレーニング施設。ヨーロッパにも施設ができることが発表されました

2018年からALIENWAREは、日本でもLoL(League of Legends)のプロリーグ「LJL」のスポンサーをしていますが、これを北米のプロリーグ「LCS」、ヨーロッパのプロリーグ「LEC」とメジャーな国際大会にも拡大。

  • 昨年からLeague of Legends日本プロリーグ「LJL」のスポンサーをしていましたが、北米とヨーロッパリーグと世界大会にも拡大します

公式PC&ディスプレイパートナーとして、ALIENWARE AURORA R8とAW2518H 240Hz G-sync ゲーミング モニターが使われます。ちなみにAREA-51を使わないのは「重くて運搬が大変だから」とのことでした。

  • ということでLJL 2018 Spring Spritの写真。実況席の下にALIENWAREロゴがあり、選手の前にはAW2518Hがあることがわかります

今後の製品に関して240Hz駆動に対応したノートPC製品を春ごろに、レスポンスや再現性に優れた有機ELディスプレイを夏ごろに投入すると表明していました。

  • 当日はデル ALIENWARE マーケティングマネージャー 柳澤真吾氏(左)も登壇してました