冷蔵庫を買うとき、一番使いやすい真ん中の引き出しが「冷凍室」のモデルにするか、「野菜室」のモデルにするか悩むものです。でも、そんな心配がいらない冷蔵庫が日立アプライアンスから登場しました。新製品の「R-KX57K」と「R-KW57K」は、2つの引き出しを自分で「冷凍室」「野菜室」「冷蔵室」から自由に設定できちゃいます。
日立アプライアンスが1月24日に発表した大容量の冷凍冷蔵庫「R-KX57K」「R-KW57K」は、定格内容量が567L、サイズがW685×H1833×D738mmのフレンチドアタイプです。このうち、下の2段(上段104L、下段100L)が「冷凍室」「野菜室」「冷蔵室」を自由に選べる「ぴったりセレクト室」になっています。
たとえばぴったりセレクト室の上を冷凍室、下を野菜室にする使い方。その逆で、上を野菜室、下を冷凍室にする使い方を自分で設定できます。ぴったりセレクト室を2つとも冷凍室にする、という使い方も可能です。ちなみに冷凍室から野菜室に温度帯を切り替える場合、およそ半日かかります。
家族によって、冷蔵庫のレイアウトは変化する
内閣府の消費動向調査によると、2人以上の世帯で冷蔵庫の平均使用年数は13.3年(平成29年3月調査)です。子どもがいる家庭をイメージすると、冷蔵庫を買った年に生まれた子どもが中学生になるくらいまで、同じ冷蔵庫を使うわけです。
子どもが小さいときなら、冷蔵庫には大人2人分の食材と、作り置きの離乳食などが入っているでしょう。子どもが大きくなるにつれて、お弁当が必要になったり、子どもが食べる量も増えたりと、冷蔵庫に入れる食材は変わってきます。「子どもが小さいころは野菜室が真ん中にあって便利だったけれど、子どもが大きくなってお弁当がはじまったら、冷凍食品をよく使うようになったから冷凍室が真ん中に欲しい!」というシチュエーションが考えられるのです。
日立アプライアンスが、冷蔵庫の収納量(どれくらい食材が入っているかどうか)とレイアウトに関する調査をしたところ、冷蔵庫の購入前は「真ん中に野菜室」があるモデルを欲しかった家庭でも、購入後によく使うのは冷凍室、ということが多かったそうです。家族構成や年代によっても、野菜室や冷凍室の収納量が異なることも明らかになりました。そこで日立アプライアンスは、ライフスタイルにあわせて下の2段を「冷凍室」「野菜室」「冷蔵室」から自由に選べる冷蔵庫を提案しました。
あれれ? 「真空チルド」も「新鮮スリープ野菜室」もない!?
今回の発表で筆者が驚いたのは、日立の冷蔵庫で代名詞でもある「真空チルド」や「新鮮スリープ野菜室」を搭載していないことです。
真空チルドは、約0.8気圧の真空環境で食材の酸化を抑え、食材の鮮度と栄養素を保つというもので、日立が2007年発売のモデルから継続してきた人気機能の1つです。「新鮮スリープ野菜室」は、野菜室内の炭酸ガス濃度を高め、野菜を眠らせるように保存して栄養素の減少を抑えるというもの。こちらも野菜が長持ちするとして好評な機能でした。
でも、「R-KX57K」と「R-KW57K」にはどちらも搭載していません。かわりに鮮度保持機能として活躍するのが、冷蔵室庫内を約2度にし、冷蔵室全体をチルド室のように使える「まるごとチルド」と、約-1度で肉や魚を保存する「特鮮氷温ルーム」です。特鮮氷温ルームでは、食材に直接冷気を当てない間接冷却方式を採用しています。
なお、ぴったりセレクト室を野菜室に設定した場合ですが、「新鮮スリープ野菜室」ほどではないものの、冷気を直接当てずに冷やし、野菜の乾燥を抑えるよう配慮している」とのことでした。
庫内の食材を管理できるアプリも
「R-KX57K」はWi-Fiに対応し、「日立冷蔵庫アプリ」を用いて便利な使い方ができるようになりました。アプリと連携させると、スマホで冷蔵庫のドアの開閉回数を確認できます。
さらに、食材を冷蔵庫に入れるとき写真を撮ってアプリに登録しておけば、保管日数を管理できます。食材の使い忘れ防止に役立ちそうですね。現在(2019年1月)のところ、食材の賞味期限などは自分で登録しなくてはなりませんが、将来的には写真を撮るだけで賞味期限など食材の情報を自動で登録できるよう検討しているそうです。
新生活、新家族にオススメしたい
冷蔵庫は24時間365日稼働しっぱなしの生活必需品です。「R-KX57K」と「R-KW57K」なら、「普段は上が野菜室、下が冷凍室だけど、お肉をたくさん買ったからしばらく2段とも冷凍室にする」「大量の飲み物をストックしておきたいから、上を冷蔵室、下を野菜室にして使う」など、家族の変化だけでなく、自分の買い物や生活スタイルにあわせて柔軟な使い方ができそうです。個人的には、結婚や出産などでこれから家族が増える人にオススメしたい冷蔵庫です。