フジ医療器といえば創業65周年を迎える老舗の健康器具メーカー。なかでもマッサージ機器には定評があり、コンパクトでリーズナブルな製品から、高級マッサージチェアまで幅広い製品を展開しています。
そんなフジ医療器が1月23日に発表したのは、マッサージチェアのフラッグシップモデルとなる「CYBER-RELAX(サイバーリラックス) マッサージチェア AS-2000(以下、AS-2000)」。すでに発売されており、価格はオープン、実勢価格は528,000円前後(税込)です。
フジ医療器は以前から高機能マッサージチェアを発売していますが、AS-2000は創業65周年ということで、リモコンから制御回路、メカユニット機構まで一新。より使いやすく、マッサージ師の施術に近いマッサージを実現できるといいます。そして、この新システムを支えているのが、今回同社としては初めての導入となったAI技術です。
2つの制御基板で体型情報をリアルタイムに反映
AS-2000の前モデルであるAS-1100までは、制御回路を1つ持っていました。新モデルのAS-2000では、この制御回路が「メイン制御回路」と「メカ制御回路」の2つに増えています。サイバーリラックスシリーズの製品は、マッサージの前に利用者の体型を把握するための「センシング」を実行しますが、利用者の体型データをメイン制御回路に蓄積。
そして、メカ制御回路から得られるマッサージ中にモーターにかかる負荷データを合わせることで、AIによる最適なモーター動作制御が可能になりました。このため、利用者がどのような体型でも安定した施術となるわけです。
5つの要素を制御する「5D-AI メカ」
AS-2000は、実際に身体を揉む部分であるメカユニットも一新。それが今回導入された「5D-AI メカ」です。最大の変更点は新開発のブラシレスモーター。新モーターはこれまでよりも小型・静音化したほか、トルクもアップしています。とくに「ゆっくり揉む」動作でも、しっかりと身体に揉み玉を入れ込めるようになりました。
名前に「5D」とあるように、もみ玉は5つの要素を取り入れた動きをします。5つの要素とは、「上下」「左右」「前後」といった動く方向のほか、玉を身体に揉み入れる力強さである「圧」と、揉み玉の動きに緩急をつける「時間」です。
これらの動きをAIで制御することで、より心地の良いマッサージとなるそうです。これらの技術を組み合わせて、23種類の自動コースに加えて、特定の部位を集中してもみほぐす12種類、合計すると業界最多(フジ医療器調べ、2019年1月時点)となる、35種類のメニューを搭載します。
身体前面を温められるヒーターも搭載
発表会の後半では、実際にAS-2000を体験することができました。
疲労回復コースを選んだところ、最初に背すじラインを検出する「S字ライン検知システム」が起動し、次に肩の位置を検出する「肩位置検知システム」を実行。マッサージの力加減とポイントを最適化します。これも今回導入された「AIダブルセンシング」と呼ばれる新機能のひとつです。センシング自体は従来機種にもありましたが、より細かな検知ができるようになっています。
もうひとつの新機能として、ヒーター機能の強化があります。AS-2000は背中側の腰回りを温めるようにヒーターが配置されていますが、このヒーター部分を身体前面に持ってくることができるのです。女性が冷えやすいお腹を温めながらマッサージを受けられます。また、腰回りのほかにも足裏にもヒーターが搭載されており、足を温めながら施術することが可能です。
実際に試用した感想は「安いマッサージ機とは全然違う!」ということ。全身をチェアとエアバッグでホールドし、さらに揉むポイントをきちんと検知しているためか「そこそこー!」という場所を外しません。このホールド感は、場所を必要とするチェア型ならではのメリットといえるでしょう。
個人的に一番凝るのは右肩で、もちろん肩のマッサージも心地よいと感じました。でも今回の試用で一番気持ちよく感じたのは、足裏。足首と足の甲をエアーバッグでギュッと固定し、その状態で突起のついたローラーで足裏を刺激します。今まで足専用のマッサージ器具をいろいろ試しましたが、一番の気持ちよさでした。