調査会社の株式会社マクロミルが15歳~53歳の1000人に、お金の使い方などを聞いた調査データを公表しました。世代によってお金との付き合い方、お金に対する考え方はどのように違うのでしょう。
ミレニアル世代といわれる25~38歳は、金融危機や格差拡大など厳しい社会情勢の中で育ってきたためか上の世代と比べて堅実といわれますが、それは本当なのでしょうか? 世代ごとの違いを検証してみます。
ミレニアル世代はしっかり貯めている!
調査会社の株式会社マクロミルによる「ミレニアル世代の消費に関する調査」の対象は15歳~53歳で、これを次の①~④の4つに分類して集計します。ジェネレーションZとされる15歳~24歳(①)。25歳~38歳のジェネレーションY(ミレニアル世代)は、25歳~29歳をミドルミレニアル(②)と30~38歳のオールドミレニアル(③)に。そして、ジェネレーションXの39~53歳(④)。お金や消費行動にする項目について調査をしているのですが、その中から、お金に関する設問に注目してみます。
まず、ひと月当たりの平均的な貯金額を見てみましょう(下図)。
驚くことに、全世代とも最も多いのは「0円」。貯金をしている金額は全体でみると「5000円未満」と「1万~2万円未満」が同率で最も多くなっていますが、これは15歳~24歳の若い世代が「5000円未満」が多いから。貯めているミレニアル世代の多数派は「1万~2万円未満」と考えてよさそうです。ミレニアル世代は貯めているお金が「0円」という人の割合も低く“堅実に貯めている”説を裏付けているといえそう。
既婚・子どもありが増える39~53歳になると、貯められない「0円」が増える一方で「10万円以上」が全世代で最も多く、年齢を重ねると収入が二極化していくことが推察できます。
自分のために使うお金(下図)という設問をみても、ミレニアル世代はほかの世代に比べて貯金という答えが大きく上回り貯金への意識の高さがうかがえます。
資産運用に対しては慎重な人が多数派
ほかの世代に比べて、老後や今後の生活の資金面の不安を感じている人が多いのもミレニアル世代の特徴といえそう(下図)。これが貯金への意識の高さにもつながっているのでしょうか。
しっかり貯めているミレニアル世代ですが、ほかの世代と同様に投資や資産運用をしている人は少数派(下図)。将来への不安を感じる人が多いからか、特に30代以降のオールドミレニアルは個人年金保険を利用している人がほかの世代に比べて多いのが目を引きます。世代が上がるごとに株式と投資信託に投資している人は増加し、投資・資産運用はしていないという人が減るという結果から、投資デビューをするには時間がかかるということがうかがえます。
投資や資産運用はしていないものの、「興味を持っている」という人は半数近くいます(下図)。中でも30代は、ほかの世代に比べて興味を持つ人が多いという結果。たしかに、しっかり貯めることは基本ですが超低金利時代が続いていますから、資産を増やすには「お金に働いてもらう=投資をする」ことも必要です。老後まで時間があるミレニアル世代なら、安定的な運用であってもするのとしないのとでは将来大きな差が出ます。
社会構造が大きく変化する中で育ってきたミレニアル世代。今回の調査結果からも、お金に対して堅実な傾向が見て取れました。
※掲載の集計データはすべて「株式会社マクロミル」調べ