東京2020オリンピック・パラリンピックのオフィシャルエアラインパートナーの日本航空(JAL)では、スポーツの支援を通じて次世代の育成に取り組む「JALネクストアスリートプロジェクト」という施策を実施。
同施策の一環として、日本全国で子供たちの運動能力を測定し、一人ひとりに向いているスポーツをアドバイスする「全国スポーツ能力測定会」を開催している。今回、長崎県・諫早市で1月19日に実施された測定会の様子を取材してきたので紹介しよう。
今回の測定会には抽選で選ばれた小学生から高校生、障がいのある児童も含めて約300人が参加。スペシャルゲストとして、柔道家の篠原信一さんと東京ヤクルトスワローズの外野手、雄平選手が招かれた。このほか、諫早市出身で、JAL所属の三段跳びの陸上競技選手であり、東京2020オリンピック・パラリンピック 推進部の山本凌雅さんも参加した。
何度も測定会にゲスト参加しているという篠原さん。この測定会について「若い世代の子供たちに、測定会を通じてスポーツの楽しさを広めているのは素晴らしいと思う」と意義を語り、「親御さんも、子供にどんなスポーツをさせればいいのかいい機会になるのでは」とコメント。
雄平選手は、プロのアスリート目線から見て「実際にプロでもこのような測定を行うが、既に大人になっているので、子供たちが定期的に測定を行うというのはいい環境だと思う」と感想を述べ、「自分の特徴が何に向いているか小学生のときに分かると、スポーツを行うにつれていい方向に導いてくれる第一歩だと思う。好きなスポーツをすることは一番大事だけど、上手くいかないと悩んだ時に、この測定が役に立ってくれると思う」と語った。
地元で開催された測定会について山本凌雅さんは「地元の諫早でこのような測定会が開催されるのは新鮮な気持ち。地元の子供たちに能力を測定してもらって自分に合うスポーツを見つけてもらって、全国や世界に羽ばたいてくれる選手が出てくれば嬉しい」と述べ、「この測定会での結果が最初に始めるスポーツのヒントになれば、いい機会になる。(自身の競技である3段飛びのような)ジャンプ系の競技も見つけてもらいたい」とコメント。
さて測定会の内容だが、参加者はまず準備体操を行いチームごとに分かれる。続いて、それぞれが専用の測定器を用いて、10mの距離を走る「10mスプリント」、素早い切り返しをする動作「敏しょう性」、反応速度と細かく足を動かす「ステップ」、バットのスイングで腕を振る力を測定する「スイング」、ジャンプの高さと素早さを測る「ジャンプ」、体勢を維持する力を調べる「バランス力」、自己申告制の「持久力」を計測。これら7項目の測定結果に基づいて向いているスポーツを導き出し、アドバイス。測定を踏まえ自身に向いているスポーツを1位から10位まで教えてくれる。
測定を終えて結果を受け取った参加者の子供たちは、自分が今やっているスポーツが測定の結果に反映されていなかったり、また思いもしなかった意外なスポーツが向いていると知って驚いていたりと、反応は様々。アドバイスを受け、今後のスポーツ活動に役立てたいと感想を述べる親御さんお姿もあった。
東京2020オリンピック・パラリンピック 推進部 スポーツ支援グループ長の阿川淳之さんは、この測定会について次のように語る。
「このプロジェクトは東京2020のオフィシャルスポンサーであるJALとして、社会的な貢献を目的に、とりわけ子供を対象にしたいと開始しました。スポーツ離れといわれるこの時勢ですが、各地で開催する中でこの測定会がきっかけで新たにスポーツを始めたというお子さんもおります。2020年に向けて多くの子供たちに身体を動かす喜びを知ってもらえばよいと考えています」
「東京のオリンピックではなく、日本のオリンピックとして地域に貢献したい」と意気込みを語る阿川さん。JALでは、測定会を2020年までに全国の都道府県での開催を目指している。