キリンは1月23日、新社会人にお酒の楽しさを体感してもらうためのイベント「FRESHERS“KANPAI!” FES 2019」を開催した。
「FRESHERS“KANPAI!” FES 2019」って?
“若者の酒離れ”と言われて久しい昨今、同社は成人式でのアルコールパッチテストの実施や、体験型展示会「#カンパイ展」の開催といった取り組みを通して、お酒の楽しみ方を世の中に発信し続けている。
今回のイベントもその一環として行われたものである。参加対象者は、キリンの内定者とその友人。内定者同士の親睦を深めるのはもちろん、同イベントでは参加者に「お酒の本当の楽しみ方を知ってもらい、大人としてのたしなみを身に付けてもらう」ことを目的としているという。
当日は、お酒にまつわるクイズ大会などが行われ、和やかなムードの中でお酒との上手な付き合い方がレクチャーされた。ここからは、その模様の一部をお届けする。
お酒との付き合い方をクイズ形式で勉強!
会場となったのは、醸造所が併設されたダイニングバー「SPRING VALLEY BREWERY TOKYO」(東京都渋谷区代官山)。
テーブルごとのチーム制で行われたクイズ大会は終始大盛り上がり。新社会人向けとはいうものの、筆者にとっても参考になる情報がいくつも転がっていた。それでは、実際に出題されたクイズを見ていこう。
問題1. お酒に弱い日本人の人口割合は?
正解は「約40%」。
世界的に見ても日本人はお酒に強くない民族であり、それはもはや遺伝子レベルで決まっているという。
日本人の44%は生まれつきアルコールに弱く、強くはないがほどほどに飲めるという人は40%、まったく飲めない、いわゆる下戸の人は4%いるとのデータも。
お酒の強い/弱いは鍛えてどうにかなるものではないため、無理して飲んだり、飲酒を強要したりするのは絶対にやってはいけないことである。帰り際、参加者には自分の体質を知るためのアルコールパッチテストも配布された。
問題2. いろいろなお酒を飲むと、酔うのが早い。〇か×か?
正解は「×」。
スタートはビールで、途中からウイスキーにチェンジ、その後カクテルにシフトし、最終的にはワインで締めるなど、さまざまな種類のお酒を飲む「ちゃんぽん」とも呼ばれる行為。悪酔いするというイメージもあるが、実際のところ、酔いの程度はアルコールの種類ではなく摂取した量(純アルコール量)によって決まるものなのだという。
ここで、自分がどの程度アルコールを摂取したか計算できる数式を以下にご紹介しよう。
「飲酒量(mL)×アルコール濃度(%)×比重0.8」
例えば、アルコール度数5%のビールを500mL飲んだとすると、純アルコール量は「500(mL)×5(%)×0.8=20g」となるわけだ。
では、アルコールの適量とはどの程度なのか。これがまさかの、「純アルコールで20g」、つまり「ビールだと500mLのロング缶1本」、「ワインだとグラス2杯」が目安だというから驚きだ。ただしこれは、体重60~70kgでアルコール代謝能力が平均的な成人男性の場合。アルコール代謝能力が高くない人の場合は、もちろんこれよりも適量が少なくなる。
いつも通りの飲み方だと、ものの数十秒で適量をオーバーすることに気が付いてしまった読者の皆様は、ぜひとも気を付けていただきたい。
摂取したアルコールは体内で分解される。個人差はあるが、一般的には1時間で約5gのアルコール分解が可能と言われているそう。すなわち、ビールのロング缶を1本飲んだら、単純計算で約4時間はアルコールの処理に時間を要するということだ。
しかし、分解スピードは体調によって異なる上に個人差もあるため、この時間が経過したからといって車を運転しても平気、とはならないことを肝に銘じておこう。
ちゃんぽんの後に悪酔いしたと感じるのは、だいたいのケースがシンプルに飲みすぎたということなのだろう。また、アルコール度数の異なるお酒をあれこれ飲むことで、自分が摂取したアルコールの量がわかりにくくなるのも原因のひとつとして考えられる。
そしてお次は、飲みすぎてしまったときに怖い二日酔いに関するクイズ。
問題3. 二日酔いの予防方法として間違っているものは?
間違っているものは、「深く眠るため、寝酒する」「飲酒後にサウナなどで発汗を促す」の2つ。
お酒を飲むと寝つきが良くなるという人も多いかもしれないが、睡眠の質が下がってしまい、疲れがよく取れないといった事態に陥る可能性も。また、次第に同じ量のお酒では寝つけなくなり、寝るために飲むお酒の量が増えることでアルコール依存症などにつながってしまうことも考えられる。
空腹時は胃腸からのアルコール摂取が早くなり、二日酔いになるリスクも高まってしまう。お酒を飲む前は必ず何かを食べ、胃に食べ物が入っている状態にしておこう。事前に食べておくといい食材の代表格が「チーズ」。消化吸収されにくいたんぱく質と脂質が多く含まれているため、胃に長時間とどまってアルコールの吸収を穏やかにしてくれる。
お酒を飲んでいると水分を摂取していることにはなるが、アルコールを体外に排出するときに、身体は大量の水分を一緒に失う。お酒を飲んでいる間は、こまめに水やスポーツドリンクなども併せて飲もう。脱水症状の予防だけでなく、胃腸内のアルコール濃度を薄める効果も期待できる。
ということは、「飲酒後にサウナなどで発汗を促す」のは、水分補給とは真逆の行為であり、脱水症状を加速させる可能性があるので避けるべきなのだ。
続いてのテーマは、ビールの品質について。
問題4. お店の生ビール、缶ビール、瓶ビールの違いは?
生と缶と瓶、気分によって飲み分ける人もいるかもしれないが、実はそれぞれに「違いはない」そうだ。最後の工程管理や輸送過程で品質に違いが出ることはあっても、中身は同じなのだという。では、どこで味が変わるのかというと、答えは「ビールサーバーの機能」や「注ぐ人の腕前」とのこと。
クイズ大会の後も、同イベントではさまざまな催しが。自然素材の風味をビールにプラスする装置「ビアインフューザー」の体験など、バラエティに富んだコンテンツを通してお酒の楽しみ方がしっかりと学べる1日となった。
お酒はコミュニケーションを円滑にし、ときには気分転換や安らぎをもたらすツールにもなり得る。適度に飲めば、我々の生活を豊かなものにしてくれるはずだ。
これからお酒を飲む機会が増えるであろう新社会人の方々は、まず自分の体質やアルコールの適量を知り、自分に合った飲み方を見つけることから始めてみよう。
新社会人を迎え入れる側の立場においても、お酒との付き合い方は常に意識しておいて損はないはずだ。