昨年10月、藤井聡太七段が優勝を飾った第49期新人王戦の決勝の相手・出口若武三段が、現在行われている第64回奨励会三段リーグにおいて10戦全勝でトップに立っています。
史上6例目 破竹の10連勝!
三段リーグは4月と10月に新期が始まる半年1サイクル。ひと月およそ2回の例会で基本的に2局ずつ、計18局を指し、成績上位2名が四段昇段、プロ棋士となります。また、3位の成績となった者には次点が付き、次点2つで四段昇段の権利が与えられます。
ただし、原則として満26歳の誕生日を含むリーグ終了までに四段昇段を果たせなかった場合は退会となります(※26歳を超えても勝ち越しを続けている限りは29歳まで在籍が可能、三段リーグ編入試験は資格を満たせば年齢に関係なく受験でき、4期まで在籍が可能、特例もあります。
現在行われている第64回には33人が参加。一番人数の少なかった第2回の16人と比べて倍以上の人数となっています。それでも、プロ入りできるのは2人。第2回では8人に1人が上がれたのに対し、今回は約16人に1人しか上がれない計算です。この格差はかなり気の毒な気もしますが、現行ルールがそうである以上、他の人より勉強し他の人より勝って2位以上を勝ち取るよりありません。大変に厳しい競争です。
出だしから10連勝したのは1987年に始まった第1回から前期第63回まで、第15回の矢倉規広七段、第34回の片上大輔七段、第50回の八代弥六段、第56回の青嶋未来五段、第60回の西田拓也四段のわずか5例しかなく、全員がその回の1位となってプロ入りを果たしています。
また、18回戦で行われるようになった第3回から前回第63回まで2位以内に入った三段の平均勝数が13.6勝となっています。10連勝の貯金があれば数字的には残り8局を4勝すれば、その値に到達します。
出口三段を追うのは1敗の石川優太三段、2敗の黒田尭之三段、井田明宏三段、宮田大暉三段。歓喜の時を迎えるのは果たして誰になるでしょうか。次回例会は1月26日。以降2回行われ、運命の最終例会は3月3日(日)に行われる予定です。