第一生命保険は1月22日、第32回「第一生命サラリーマン川柳コンクール」の全国優秀100句を発表した。2018年9月から10月にかけて、全国から寄せられた4万3,691句の中から選ばれたもの。
遠ざかる「定年」作品が多数
今年の優秀100句には「定年延長」「再雇用」により遠ざかる人生の余暇を嘆く句が多数入選。第4次安倍内閣では、企業に65歳以上の定年延長、さらには2019年度を目標に70歳定年の原則化を求めるなど、シニア層の活躍推進に力を入れている。厚生労働省の調査によると、一律定年制を定めている企業のうち、定年を65歳以上としている企業の割合は2017年に17.8%にのぼり、10年前の2007年(9.1%)の約2倍に上昇。
もうすぐ定年を迎えようとしていたサラリーマンからは、「再雇用 昨日の部下に 指示仰ぐ」(白いカラス)、「ゴール前 延びる定年 老い越せない」(チコちゃん55歳)、「給料も シニア割され 半額に」(再任用)、「やっと縁 切れた上司が 再雇用」(アカエタカ)、「定年が 手招きしつつ 遠ざかる」(マリちゃん)など悲痛の叫びが寄せられた。
シェア文化や働き方改革も
不要なものはフリマアプリで売る、情報はインスタ・LINEですぐに共有するなどモノや情報を効率的にシェアする様子が優秀100句にも多く見られるようになった。「ご馳走を インスタ用に 作る妻」(なるほどマン)、「メルカリで 妻が売るのは 俺の物」(島根のぽん太)、「インスタで 妻のランチを 二度見する」(田中十字路)、「部下休み 理由知ったの SNS」(小豆)など。
一方、「通勤ラッシュ」「無駄な休日出勤・残業」「仕事と家事の両立」に関するサラリーマンの悩みは今回の入選作でも数多く登場。「朝ラッシュ ランチ満席 夜一人」(生一丁喜んで)、「五時過ぎた カモンベイビー USA(うさ)ばらし」(盆踊り)、「休日に 働き方の 打ち合わせ」(きの子)など働き方の効率化はまだまだ道半ばの様子だ。
1月22日~3月15日、全国優秀100句の中から平成最後のサラリーマン川柳ベスト10を決める投票が実施される。優秀100句は第一生命ホームページ上で発表するとともに、第一生命日比谷本社(東京都千代田区)1階オープンスペースでも掲示し、ベスト10投票を受け付ける。投票結果は、5月下旬に発表予定。
タレントのDAIGOを特別審査員に招き、20代限定で募集した「YWD(YoungのWishでDAIGO)部門」では、「平成の 終わりに気づく もうアラサー」(ちゃうさん)、「席座り 視線感じる ここKMZ(上座)」(ココス)、「残業後 妻の手料理 TKG(たまごかけごはん)」(よみ人知らず)がベスト3に選ばれた。
さらに、健康、お国自慢、詐欺撲滅をテーマに行われた「地元サラ川(ジモサラ)」も初開催され、14作品が選ばれた。