久光製薬は1月19日、佐賀県鳥栖市で「久光製薬鳥栖市民講座」を開催した。24回目となる同講座は、地域の文化事業の一つとして久光製薬がさまざまなゲストを講師として招き、幅広い演題で講演を行っているもの。
今回は「この国の行方~日本のあるべき姿~」と題し、ジャーナリストとして国際情勢を見つめてきた櫻井よしこさんが今の日本の現状と未来の姿について講演した。
東京2020公認プログラムとしてブースなどを設置
会場となった鳥栖市民文化会館には多くの人々が詰めかけ、開場前に大行列ができるほどの盛況となった。大ホールの約1,500席はすべて埋まり、隣の小ホールのスクリーンで講演内容をリアルタイム視聴する観客も出るほどだった。
今回の講座は「東京2020公認プログラム」として東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に承認されている。
公認プログラムとは、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピック(東京2020大会)を一過性のイベントではなく、多くの人々が参画する大会となるよう、人々が体験や行動を通して未来へとつなげられる催しとして認証されているものを指す。
そのため、会場には東京2020大会のオフィシャルグッズの販売や、フォトブースなどが設置され、たくさんの来場者が足を止めていた。このほかロビーでは久光製薬のブースも設置され、希望者には同社商品のサンプルなども配布された。
講座の入場料は、さまざまな社会貢献活動に役立てることを目的に全額が寄付されている。講座に先立ち久光製薬から日本赤十字社への寄付金目録の贈呈式が行われ、久光製薬の執行役員で鳥栖工場長の武富弘之氏から、日本赤十字社 佐賀県支部の船津定見事務局長へと目録が手渡された。
長い目で日本の未来を考えることが重要
会場からの大きな拍手で迎えられた櫻井さん。さっそく「私、大きな秘密を明かします。個人情報ですからね? 」と笑いを誘いながら、「生まれはベトナムなんですが、私も九州の人間なんですよ」と話し始めた。
貿易会社をしていた父の仕事の関係でベトナムで生まれた櫻井さんだが、戦後に引き上げた際に父の生まれ故郷であった大分県に身を寄せ、大分県中津市で14歳までを過ごしたという。
そこから祖父や父の体験を交えながら、戦後の貧しい時代から現在の経済大国へとなっていった日本の姿を解説。そして、地理的な条件から日本が国際情勢の中で非常に重要な位置づけにならざるを得ないことを説明した。
そのうえで、近々に起こった事件や各国要人の発言および人事などに触れつつ日本を取り巻く現状について解説し、「1年2年ではなく、10年20年という長い目で日本の未来を描かなければなりません」と語った。
講演を終えた櫻井さんには盛大な拍手が起こり、会場からはたくさんの質問も寄せられた。また、観客からプレゼントを贈られる一幕もあった。
久光製薬は今後も、鳥栖市民講座をはじめとした文化的事業などのさまざまな取り組みを通して地域貢献を目指し、東京2020オリンピック・パラリンピックのオフィシャルパートナーとして大会の成功へ貢献していくという。