「ビジネスに使える合コン術」というと、"合コンに参加することで身に付けられるノウハウのうち、実際のビジネスシーンで応用できるもの"というイメージがあるでしょう。実際そうしたノウハウは数多くあります。

更に、それを発展させる形で、合コン参加で会得できるノウハウだけでなく、合コンそのものをビジネスに活用することもできます。今回は、合コンを活用したマーケティング手法をご紹介します。

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マーケティングに合コンを活用する

このマーケティング手法を使うのに適している「生命保険会社の営業マン」を具体例に解説したいと思います。

生命保険の営業マンは過酷な仕事です。個人を営業対象としている営業マンの場合、常に顧客候補となる個人を新たに見つけて、コンタクトを継続していかなければなりません。日本人は生命保険の契約率が高いので、新たに保険に加入するニーズがある人はそれほど多くないという実情があります。

生命保険の営業マンの中には、電話帳や与えられたリストを見てひたすらテレアポ営業をする方もいます。しかし、ゼロとは言いませんが、そもそもいきなり知らない人から掛かってきた電話での生命保険の勧誘にポジティブな反応を示す人は少ないでしょう。信頼関係を構築できていないので、当然と言えば当然の反応です。

また、異業種交流会に行くと必ずと言っていいほど生命保険の営業マンの姿を見かけます。彼らはこうした場で出会った人に対して再度会って話をする機会を作ろうとします。しかし、相手も保険の営業をされるのが分かっているので、すんなりとミーティングの時間を貰えない場合もしばしばあるのが生保営業マンの悩みです。

なので、生命保険の営業マンにはこんな営業戦略がお薦めです。

1.生命保険のことは前面に出さず、相手に警戒されないようにする
2.会う機会を複数回作り、接触頻度を高める
3.信頼関係を深める
4.生命保険の話が聞いてくれるようになる。生命保険の相談が来る

このとき、ポイントとなるのが、2の「会う機会を複数回作り、接触頻度を高める」ことです。生命保険のことを前面に出すと警戒されて会って話をする機会を逸してしまうので、それ以外のテーマで一度会ったことがある人と再び会う機会を作る必要があります。実は、このときに有効活用できるのが「合コン」なのです。

新規顧客候補の開拓に繋がるワケ

営業マンが以前に異業種交流会などで会った見込み顧客の方が、出会いを求めている独身者であれば、合コンへの参加ニーズは強いです。だから、生命保険の営業マンは良き合コン幹事になれば、比較的容易に再び人と会って話をする機会を増やすことができます。

主催した合コンが参加者に好評であれば、リピーターの参加者が生まれてきます。リピーターがいるということは、その営業マンが何度も会う人が作れているということです。つまり、接触頻度が高くなっています。接触回数が多くなるにつれて、相手との間に信頼関係が構築できます。

そうした合コンや飲み会などの接触を重ねる中で、タイミングを見計らって生命保険の話をする時間を作り努力を行います。この段階になると、相手と信頼関係が築かれているので、少なくともテレアポで電話営業をするよりかは、話をしっかり聞いてくれる可能性がグンと高まります。

また、効率よく初対面の人と会う機会を作れるのも合コンの長所です。合コンでは、参加メンバーが友達を連れて一緒に参加するケースが頻繁にあります。そうした場合、連れてこられた参加者はその営業マンにとって初めて会う人物、つまり新たな顧客候補です。だから、合コン主催は新規顧客候補の開拓手段にもなります。

もし、営業マンが幹事として開いた合コンの参加者がそこで彼氏や彼女を見つけられれば、そのその営業マンに対する信頼感や感謝の度合いは格段に深くなるのは間違いありません。そうすれば、より生命保険の営業がし易い環境になるし、成約率も高まるでしょう。

更に、そのカップルが結婚すれば、新たなライフプランに携わる機会も得られます。結婚は生命保険の見直しや新たな加入に繋がる良い節目ですし、子どもが誕生すれば新たな保険加入ニーズが生まれます。

因みに、たとえ見込み顧客が既婚者であっても合コンを活用することが可能です。既婚者の方には、お目付け役・オブザーバー的な役割で合コンに関わってもらいます。具体的には、その既婚者の友達や部下など周囲にいる独身者を連れてきてもらって、合コンに参加して頂きます。

そうすれば、見込み顧客が既婚者であっても、再度会って話をする機会を作れます。加えて、初めて会う独身者を連れてきてくれるので、新たな顧客候補との出会いの機会を創出することにも繋がります。

今まで見てきたように、幹事として合コンを継続的に開催することによって、「新規顧客候補とのファーストコンタクト」「見込み顧客への継続的接触機会の確保」という、生命保険営業マンにとって、重要な作業を比較的低負担で行えます。

すべての営業マンに応用できる

今回、ビジネスに使える合コン術を、具体的に生命保険営業マンという職種を挙げてご紹介しました。実は、この方法は生命保険の営業マンだけでなく、個人を顧客とする商品やサービスを持つ営業マンであれば、どの業種や業態であっても応用が可能です。

合コンには、「人を集めやすい」「継続的にイベントを開催できる」という特徴があります。合コンを定期的に開催すると、自然な形で見込み顧客との接触回数を増やし、相手が無意識のうちに信頼関係を構築することができます。

これこそがまさに合コンの利点です。この利点を活用して、自社製品やサービスのマーケティング力の強化を図る企業や営業マンは今後大きく増えていくでしょう。

筆者プロフィール: アモーレ石上


1973年生まれ。埼玉県狭山市出身、在住。慶應義塾志木高等学校、慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、和光証券(現みずほ証券)、ベアー・スターンズ証券、バークレイズ証券、クレディ・アグリコル証券にて計17年営業マンとして勤務。現在は、一般社団法人スマート男子育成協会代表理事。2,000回の合コン経験と100名以上の女性との交際体験を経て、恋愛ノウハウを習得。かわいい彼女作りのノウハウを学べる「スマート男子養成講座」を展開し、理想の彼女を作り自信を持った男性を世に大量輩出することを使命としている。公式HP[「下剋上合コン術」](http://otokojuku.biz/)