俳優の野村周平が17日、都内で行われたAmazonプライム・ビデオの連続ドラマ『MAGI-天正遣欧少年使節-』(17日配信開始)の配信記念イベントに登場した。
同作は、作家・若桑みどり氏による小説『クアトロ・ラガッツィ 天正少年使節と世界帝国』をドラマ化したもので、戦国時代を舞台に、ローマ法王に会うために日本からヨーロッパに向かった少年使節の8年に渡る旅路を描くもの。大御所の鎌田敏夫氏が脚本を手がけ、現在放送中のNHK大河ドラマ『大河ドラマ いだてん~東京オリムピック噺~』も手がける大友良英氏が音楽を担当する。
イベントでは、キャスト陣が劇中衣装で登壇。少年使節・伊藤マンショ役の野村は「この衣装はスペインから実際に送ってもらったものだけれど、サイズ感などが撮影当時とチョイチョイ違う。帽子もサイズ感が小さくて、頭が締め付けられる。だから頭に血が巡らなくて今眠たい」と会場を笑わせた。
また、「天正少年使節は日本の歴史の中でも特殊な歴史。ただ日本でのエピソードが少ない物語なので、海外の人にも受け入れてもらいやすい歴史ものだと思う」とアピールし、「かなり昔の時代の話なので、当時を知っている人間なんていないし、役作りに関しては調べをして、当時の食事、海の上での生活を勉強して挑んだ感じ」とこだわりを明かした。
少年使節・中浦ジュリアン役の森永悠希は「日本史の教科書でも見開きの半ページくらいの取り扱いで、文献自体もそこまで残っているわけではない。だから資料を探すのも難しいところがあったけれど、その中から想像していく感じだった」と役作りに苦労したことを紹介。少年使節・千々石ミゲル役の緒形敦は「戦国時代に船で3年かけて海外に行くという発想自体がすごい話。だから役作りも興味深かった」と興味津々で、少年使節に同行するドラード役の佐野岳は「ヒーロー、殺人犯など特殊な役柄ばかりを演じてきた僕が、ついに日本人以外の役をいただきました。英語はハリー杉山さんに教わり、乗馬は撮影の1カ月前から練習していました」と、新境地開拓をアピールした。
スペインロケも行っており、野村が「基本的に暖かくて、素晴らしい建築物ばかり。教会も日本のとは比べ物にならないくらいきれいで、教会では自分の愚かさを悔いてきました。スペインではほぼ懺悔の日々だった」と話すと、佐野もすかさず「清められて帰ってきたよね」とジョークにノリノリ。撮影期間中は4人でほぼ毎日のように食事をとっていたそうで、佐野が「周平先輩が全部ごちそうしてくれた。…年下なのに」と野村の太っ腹ぶりに頭を下げ、野村は照れ臭そうに「だから東京に帰ったら自分のご飯も食べられなかった」と自虐した。
また、緒形が「スペインは神秘的な世界遺産と街並みが一体化していて、一歩足を踏み入れると新鮮な空気感があった。それは日本では味わえない雰囲気。撮影のモチベーションも上がった」と異国情緒を振り返ると、野村も「俺らは景色を見て泣いたからね。『千と千尋の神隠し』の音楽を流したりして。『俺ここで一生暮らせるかも!』と思った。それくらい幸せな撮影期間だった」と、感慨深く語っていた。