帝国データバンクは1月15日、「人手不足倒産」の動向調査(2013~18年)の結果を発表した。それによると、2018年(1~12月)の「人手不足倒産」は前年比44.3%増の153件となり、2013年の調査開始以降で最多を更新した。

  • 「人手不足倒産」の件数(出典:帝国データバンクWebサイト)

    「人手不足倒産」の件数(出典:帝国データバンクWebサイト)

同調査では、従業員の離職や採用難などにより収益が悪化したことなどを要因とする倒産(個人事業主含む、負債1,000万円以上、法的整理)を「人手不足倒産」と定義している。

「人手不足倒産」件数は3年連続で増加し、6年間の累計件数は500件。企業倒産の全体件数が前年を下った中、「人手不足倒産」は増加率が3年連続で2桁を超え増勢が続いている。

2018年の負債総額は223億7,700万円で、6年間累計では1,036億7,700万円に上った。負債規模別にみると、「1億円未満」が同85.7%増の91件で最多。6年間累計でも「1億円未満」が258件と最も多く、小規模倒産が過半数の51.6%を占めた。

業種別では、「建設業」が同58.6%増の46件でトップ。次は「サービス業」の41件で、これら2業種で全体の56.9%を占めた。6年間累計でも「建設業」が167件、「サービス業」が145件の順となった。

都道府県別の6年間累計件数をみると、「東京都」が69件と圧倒的に多く、うち2018年は23件(前年12件)と同91.7%増加した。同調査によると、「2018年は福井、三重、山口、高知の4県で初めて『人手不足倒産』が発生し、これにより6年間累計では、47都道府県すべてでの発生となった」という。