フィギュアスケートの高橋大輔選手がプロデュースするマンション「スカイコート ディベルテ浅草」の完成発表会がこのほど、都内で行われた。高橋選手は昨年、スカイコート創立50周年記念プロジェクト「D-Color」のトータルコーディネーターに就任。コンセプトや内外装などあらゆる業務に関わり、斬新なマンションを作り上げた。

  • 銀盤で磨かれたセンスをもとにマンションをプロデュースした高橋大輔選手

自由を表す「liberte」に大輔の“D”で「D-iberte」

高橋選手がプロデュースした「スカイコート ディベルテ浅草」は、浅草寺まで6分、東京スカイツリーまで19分という、東京の歴史と未来を一望できる13階建てのタワーマンション。総戸数は35戸で、1KのA/Bタイプ24戸、1LDKのCタイプ10戸、ルーフバルコニー付き1LDKのDタイプ1戸が用意される。その眺望は「最上階では東京スカイツリーがいい感じで見えます。僕が住みたいくらいです」と高橋選手のお墨付きだ。

マンション名「ディベルテ(D-iberte)」の名付け親も、もちろん高橋選手。フランス語で自由を意味する「リベルテ(Liberte)」に大輔の“D”を追加した造語で、高橋選手が自由にコーディネートしたこと、そしてこれから住む方に自由にアレンジしてほしいという思いを込めた名称だという。高橋選手は今回のチャレンジの感想を「難しかったですね。僕の好みを押し付けてもダメですし、それでいて僕のカラーを出さなければいけないわけですから」と答える。

外装のコンセプトは赤、黒、白の3色。とくに外壁のタイルを決める際にはイメージ通りの色が出るまで何度も検討を繰り返したそう。12、13階のバルコニーを囲む赤タイルは、建物を横にして見ると“d”の文字に。もちろんこれも大輔の“d”だ。

  • 「これまでとは違う見方でマンションを見るようになり、リフレッシュになっている」と語る高橋選手

内装面では「帰ってきたときに明るく、人に来ていただいたときに『ようこそ』という気持ちを演出できるように」玄関ニッチのライトアップにこだわったと説明。また「昔よりキッチン周りでコンセントを使う機会が増えたので、多めに配置しました」と実生活に配慮した工夫も紹介した。

さらに全35戸それぞれの部屋のどこかに“隠れ大輔”を用意していると言い、「具体的にはまだ決めていませんが、購入した方にはなにかプレゼントをしたいなと考えています」とサプライズを計画していることを明かした。

建築家へあこがれるも「数字に弱いので……」

もともと建築家にあこがれを持っていたそうで、子どものころは新聞の折り込みチラシに間取りを書いて遊んでいたという高橋選手。「将来、建築家を目指す予定は?」という質問に対し、「僕は数字にめちゃめちゃ弱いので……(笑)。なので建築士を目指すことはないと思いますけど、インテリアコーディネーターにはすごく興味があります」と苦笑しながら話した。

1KのA/Bタイプについては1人暮らしの女性をイメージしたそうで、不動産投資をするような女性のイメージを問われ「僕はいままでスケートしかしてこなかったので、社会をあまり知りません。そういうしっかりした女性が近くにいれば素敵だな、安心感があるなと感じます」とコメントする一場面もあった。

  • A/Bタイプは1人暮らしの女性が住むことをイメージしてコーディネートしたという

2018年7月に現役に復帰し、12月20日に開催された第87回全日本フィギュアスケート選手権では準優勝を果たした高橋選手。「D-Color」プロジェクトに携わった当時は現役復帰の予定は全くなかったそうで、ビジネスパーソンとアスリートという2つの側面を同時にこなしてきたことになる。

フィギュアスケートは、身体的な負荷や競技会の仕組み上、20代後半以降も選手生活を続けるのが難しい競技。そんな世界において、高橋選手は32歳の今もなお選手として第一線で活躍しつつ、社会人としてビジネスを手掛けている。高橋選手のビジネスでの成功は、後進のスケーターたちの道しるべともなるかもしれない。最後に、高橋選手は今回のプロデュースを通して感じたことを次のようにまとめた。

「色々な仕事をさせていただいて、まだまだ自分の知らないことがたくさんあるんだなと感じました。いつまでも現役は続けられませんし、滑らない人生も考えながら行動していかなければならないでしょう。まずは知らないことをどんどん知っていくことが必要かなと思いました。その中にプラスになるものがあるかもしれないし、どこにチャンスがあるかわからない。スケートはもちろんメインで頑張っていきますが、それ以外の仕事ももっとやっていきたいと思います」